ところが日本の場合は、「儲け主義」と言って、儲けることは少し悪いことをしているような風潮があります。しかし、「そうじゃないんだ」と。この業界を伸ばしていくためには利益は必要だし、その利益はお客さまが付加価値を認めてくれた「証し」なんだと言いたいわけです。そもそもほかと同じことをやっていればみんな同じになるわけで、高い付加価値は生まれないですから、利益も生まれない。

 ただし、逆に転じると、「儲ける=いいことをしている」ような形になってしまうので、本当に役立っているかを検証しながら利益を見ていかなければいけません。そういう癖を社員にも持ってもらいたいと思っています。それを昔は資本主義と言ったと思いますし、この数十年のアメリカのベンチャー企業の基本も、そういうスピリットで伸びてきました。マイクロソフトやアップルもそうですよね。世の中で「本当にこれがいい」と認められるものを常に生み出して儲けているわけで、ズルしているわけではありません。

 他の会社の場合、「利益は後」なんですよね。だけれども、利益をもっと最初から強烈に意識して「それがうちなんだ」と思えるぐらいになってほしい。「利益に対する価値観の転換」をしないと駄目ってことじゃないですかね。

松江 確かにお客さまのニーズを先んじて捉えて、他にはないものを出して、そこで評価されてはじめて利益が出てくる。それを最初から目指して、利益に価値をおいてやっていくんだ、というメッセージは明快で納得感がありますね。全てがつながらなかったら利益にならないですからね。

 どこを一つ欠けてもなりません。だからこそ大変なのですが。

>>この対談の後編は4月3日(金)公開予定です。