素直な心が「はい」
という返事に結晶する

 結局、素直な心が「はい」という返事にあらわれるのだと思います。

 映画『地球交響曲<ガイアシンフォニー>第二番』の冒頭に、

 「多様なものが多様なままに共に生きる それは生命の摂理であり宇宙の摂理である」

 という言葉が映像はなく文字だけで出てきます。

 試写会で初めて、これを見てびっくりして、それで胸がいっぱいになったわけ。
 でも、この言葉の意味は、わたしには不可解。言葉もわからないな、意味もわからないな、だれに聞いたらいいのかなと思いながら聞く人がいないような感じで胸に持っていました。

ぬかづけと生物多様性、
共存共栄の精神

 そうして何年も宿題のように思っていたところに、「生物多様性」の講演会の依頼がありました。
 あまりに難しいテーマなので、一度はお断りしたのですが、多様性というのは難しいことではなく、わたしのやっていることそのままが生物多様に当たると言われて、ああそうなのかとそれはそれで受けたの。

 その後、ぬかづけの達人と話していて、ぬかづけの原理は生物多様なこと、とパッと思いついたんです。

緑の野菜と同じように、<br />なぜ人も「透明」であることが大切なのか?

 ぬかづけというのは小さな器の中で、何種類もの菌と野菜が互いに自分の力を出しあって、いい味を出そうと努力しています。

 わたしたちもそんなふうに生きていけばいいんだってね。
 映画の冒頭の言葉は、わたしたち一人ひとりが生物多様であり、命の真実は宇宙の真理にあるということなのだとわかったのです。