日本語にはさまざまな表現があります。感謝の言葉一つをとっても「ありがとうございます」「幸いです」「感謝いたします」「恐縮です」「恐れ入ります」etc.とバリエーションが無数にあり、それらを仕事のシチュエーションごとにどう使い分ければよいか悩むビジネスパーソンは多いでしょう。そこで、「正しい敬語」より「現場で使える敬語」、「失敗しない話し方」より「人に好かれる話し方」というコンセプトで執筆されたのが『接客・商談の一流プロに学ぶ! お客様の心を動かす敬語と話し方』です。同書のエッセンスを著者の戸田覚氏が紹介する本連載。第1回目はスーパー決め台詞と言ってもよい「一生使えるひと言」についてです。
話し方一つで
ビジネスに大きな差がつく時代
1963年東京生まれ。ビジネス書作家、コンサルタント。株式会社アバンギャルド、株式会社戸田覚事務所代表取締役。ハイテク、パソコン、成功する営業のコツ、新商品開発、新事業開発といったテーマを中心に、執筆、出版プロデュース、講演、コンサルティングに携わる。ビジネス誌、パソコン誌、情報関連雑誌をはじめとして多数の連載を抱える。著書に『新 あのヒット商品のナマ企画書が見たい!』『プレゼンの極意を盗め!』(以上、ダイヤモンド社)、『すごい人のすごい企画書』(PHP研究所)、『仕事で使える!クラウド超入門』(青春出版社)など多数がある。
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株式会社アバンギャルドHP
インターネットの普及で高度情報化社会も極まった感のある昨今、価格競争や製品の機能・性能の差がどんどんなくなっている。どこで買っても同じ金額、何を買っても性能に大差がないと感じる場面が多い。しかし、だからこそこれからは個人の力がビジネスに大きな差をつけるのではないだろうか。同じ価格で同じような商品を買うなら、素敵な人、気に入った相手から買いたいと思うのは普通の感覚だ。
そこで重要となってくるのが話し方だ。話し方のルールはいやと言うほど見聞きしてきたし、素敵な話し方を教えてくれる本も数え切れないほど出ている。また、正しい敬語の使い方は国語の授業でもずいぶん学んできた。
しかし、僕が興味を持ったのは、ビジネスの現場でお客様の心を動かしている「本物の話し方と敬語」だ。実際に顧客に好かれ、高く評価されているプロフェッショナルの人たちは、どんな話し方で接客し、どのような敬語を使っているのだろうか。それがわかれば、日々の仕事にも大いに役立つはずだ。
今回執筆した『接客・商談の一流プロに学ぶ! お客様の心を動かす敬語と話し方』では、話し方や敬語の使い方に秀でた達人8名に取材することで、現場で本当に顧客の心を動かす話し方・敬語を数多く紹介している。