お客様は、いろいろなサインをこちらに送っています。それを見逃してはいけません。売れない営業ほど、人の話を聞いていません。早とちりします。理解できていないのに、勝手に営業のほうで判断してしまいます。お客様ははっきり言葉に出さなくても、どこかで買う意思を出すものです。
営業は、話が上手である必要はないのです
最近、沈黙を恐れて、意味もなくしゃべりすぎる若い営業マンが増えています。沈黙すると、お客様が逃げてしまうと思い込んでいるのです。
ところが、このしゃべりすぎは、かえってお客様を逃していると思います。
営業は、話が上手である必要はないのです。誰でもネットで調べられるような情報をべらべらとしゃべっても、お客様はなにも感じません。
むしろ口べたで聞き上手なほうが、お客様の心、ニーズを早くつかみ、そこに合わせた商談ができます。
口べたでも、熱く商品を語ることができればいいのです。朴訥でもいいので、熱く語ることです。本当に心から商品を好きになることです。商品には、いいところもあれば、悪いところもあるかもしれません。その悪いところも含めて好きにならないと、熱く語ることはできません。
私の商談は、すごく静かです。熱く語るからといって、大騒ぎするわけではありません。口べたなので、間もたくさん空きます。私も沈黙し、お客様も沈黙している長い時間が生まれます。
それでいいのです。この沈黙を恐れてはいけないのです。
沈黙している間、お客様は考えています。そして、やがてその考えをこちらに伝えてくれます。営業として大事なのは、お客様の考え、気持ちを知ることなのですから、こちらはじっと、それを待てばいいのです。
そのうち、お客様から「じゃ、こういうのはどうかな」と手を差し伸べてくれるでしょう。ただしそれは、お客様にこちらの一生懸命さ、熱意を認めていただいたときだけです。
「買いたい」けど買いたいとは言わないお客様と、「買ってください」と言いたいけど言えない営業で商談をするのです。