寺田 会社を成長させるために、経営者は社員に何を約束するべきだと思っていますか?

加藤 私は経営者として売上が伸び続けることをとても重要視します。売上がちょっとでも下がると恐怖感が出ます。経営者として私の一番の“恐怖”は倒産ではありません。売れるネット広告社のビジネスモデルや財務体質だとほぼ99%それはないです。

 経営者として私の一番の恐怖は社員の皆様たちの年収を下げることです。私を信じて売れるネット広告社のような小さなベンチャーに入ってきた社員たちには、ネット業界トップレベルの年収を上げ続けたい。だから私は「人の2倍働き、人の2倍売上を稼ぎ、人の2倍年収を稼ぐ」価値観を社員に浸透させています(笑)。

「ガンガン売上を上げて、将来は電通や三菱商事などの大企業の年収を大きく超えさせる。若くして高いポストにつかせる」
社員にそう約束しないベンチャー企業の社長では絶対いけないと思います。
そういう夢がなければ、もっというと大成長する目標がなければ、ベンチャーなんかただの零細企業にすぎません。「やりがい」だけを語ってもキレイゴトなんです。

寺田 企業理念は何ですか?

加藤 冗談みたいに聞こえるかもしれませんが、売れるネット広告社の企業理念は「圧倒的な知識と非常識な行動で、もっと“売れる”もっと“バブリー”な世界を創る」です。

 個々の全社員が経営者的視点に立ち、個性と能力を最大限に発揮します。常に全社員で圧倒的な知識をつけ続けます。常に全社員で非常識なぐらい行動し続けます。
そしてクライアントの売上を徹底的に上げ続けることはもちろん、全社員が売れる人財になり続けます。

 金銭的にも精神的にもバブリーな「夢」のある未来に向かっては走り続けます。売れるネット広告社が今後目指すことは、ますます増えていくネット通販企業様からのニーズに対応できるような組織づくりを行い、不況で苦しむ日本の景気に通販王国九州のノウハウで活気を与えていくことです。

寺田 今後のビジョンを教えてください。

加藤 もちろん、他の社長と同様、「売上拡大」「海外展開」などの一般的なビジョンはありますが、私の一番の想いとビジョンは、社員に“会社と社員が大成長するドラマ”を見せてあげることです。

 私は三菱商事やアサツーディ・ケイなどの誰もが羨む大手企業にいたのに、成長しきった会社にいる自分に嫌気がさしていた20代でした。逆に同世代のベンチャーの人間の多くが若くして数年で新入社員から役員まで上り詰めるのを見てきて、それ以上にそれらの会社がどんどん成長していくのを見てきて、それに対して大きなコンプレックスがありました。だから2010年に売れるネット広告社を起業しました。

 小さなワンルームマンションでたった二人から始まった売れるネット広告社はこの5年間で、社員も少しずつ増え、オフィスも少しずつ広くなり、少しずつ成長できました。

 この5年間は私にとって最高に刺激的でエキサイティングでしたし、まさに私が求めていた成長を感じられるワクワクドキドキの連続でした。人生において、この成長感ほど幸せなものはないと私は強く思います。社員が定年する時に、彼らが「あのとき、私はそこにいた」「私は歴史をつくれた」と必ず思えるような人生を歩ませたいです。まだまだ設立5年の小さな会社です。まだまだまだ先はずっと長い。社員全員で力を合わせて一緒に最高に幸せな“人生ストーリー”をつくっていくつもりです。

寺田 ありがとうございました。東京オフィスのご移転おめでとうございます。