「ウルトラコンデンサーを積んだバスですか、中国はやることがすごいですねえ」――。
自動車関連の専門家も舌を巻く、上海市の新エネルギー車(*1)政策とインフラ整備のあれこれ。大国の仲間入りを意識し、「低炭素社会」への転換を目指す上海では「環境、やってます!」が目下の課題。その演出ぶりに注目した。
(*1)ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池式自動車、水素エンジン自動車などの新エネルギーを動力源とする自動車の中国における総称。
急ピッチで設置が進む
エコカー向け充電スタンド
上海では09年11月、国内初の充電スタンド「漕渓電動自動車充電スタンド(上海市徐匯区)」がお目見え。敷地面積400平米、総投資額508万元(約6500万円)。路上に小型車向けを4台、敷地内に大型車向けを5台の、合計9台の充電設備を設置した。
充電スタンドの本格稼働はまだまだ先 |
ハイブリッド、電気自動車ともに対応が可能で、当面はマイカーを除く、上海市政府所有の車両や公共バスなどを対象に充電を行う。利用者は即時充電(急速充電だが高額)、もしくは夜間の充電(半額)を、また「自動充電」か「走行距離に基づいての充電」を選択することができる。
当時「国内発の電気自動車充電スタンド完成!」と地元のマスコミも鳴り物入りで取り上げたとは言え、稼働はだいぶ先のようだ。現場を訪れると「まだまだ調整中」と関係者。いつから稼働を開始するのか、彼らにもわからない。
一方、中国では設置ペースを加速する。年内には上海、北京、天津、西安など27の省と市に充電スタンドを75ヵ所、充電器を6209ヵ所に設ける計画だ。ちなみに昨年12月には深センで充電スタンドが2ヵ所、充電器を134ヵ所に設置済み。09~15年の間に充電スタンド250ヵ所、充電器1万2500ヵ所を設置する計画だと言う。