母親のそのような老後のために、今、何をすればよいのだろうか?

「……そんな単純な問題ではないです。お母さん、自分ができることは精一杯やっておられます。でも心身ともにしんどくって、子どもたちも荒れていて、困っておられるんです。お母さんたち、充分すぎるほど、状況の中で合理的な判断をされているんです。でも、多様で複雑な数々の問題を一身に抱えていて、貧しいだけではなく、困っているんです。だから、『貧困』なんです。出口がありません」(徳丸さん)

子どもたちの大好きなハンバーグには、キャベツの千切りと豆腐がたっぷり入っていた。ヘルシー、美味、かつ大いに満足感を覚えるハンバーグだった
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 あえて、どこかから解決していくとすれば?

「就労支援の前に、まず、生活の視点、福祉の視点がなければ。生活が安定していない状態で『自立』『就労』と言うから、お母さんたち、倒れていきます。ストレスと関係のある甲状腺疾患も多いです。すると医療費がかさんでいき、お母さんたちは一生働けなくなります」(徳丸さん)

 生存あっての生活、生活あっての就労。この順序は、疑いようがないだろう。生存と生活に困難があるのなら。生活保護「も」利用しながらの半福祉・半就労が、最大の効果につながりそうに思える。

「私たちも10代から60代までの女性と接していて、そう思います。『この年代で無理をして働くと、この年代で働けなくなる』ということが、よくわかります。だから、半福祉半就労の費用対効果、エビデンスが欲しいです。明らかにする研究がされてほしいです」(徳丸さん)

 事業を具体的に構想する前に、マーケティングリサーチ。それはビジネスの常識でもある。2014年8月に閣議決定された「子どもの貧困対策大綱」のメニューにも、調査研究は含められていた。しかし確保された予算は、0円だった。

 次回は、母子世帯の支援・調査・政策提言と幅広い活動を長年続けている「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子氏に、別の角度から「子どもの貧困」に対する対策の問題点を聞く。

 やや異なる活動と立場から見える生活保護制度の姿は、どのようなものだろうか?