南 すごくわかりやすいですね。ちょうど弊社でも、新しい人事制度を半年かけてつくったところです。今までは私も含めて全員がプレーヤーだったのでマネージャーは必要なかったのですが、社員300人という壁にぶつかり始めたときに新しい人事制度が必要になりました。職能とジョブ、そしてパフォーマンスがバラバラだったので、グレード制をつくりました。まだまだ流動的ですが、3年後1000人規模の組織になったときにどうすべきかのイメージがわきました。

有沢 人による差を認めることが大切ですね。公平・公正という言葉は人事にとって大事な言葉ですが、行き過ぎた公平感は決して人事でやってはいけないことだと思っています。とはいえ、公平な目で見て差がつくのは当たり前で、みんなを平等に処遇することとは違います。能力ではなく、成果とそのプロセス、職務の重さを認める。能力給を取り入れたいならば、コンピテンシー制度を導入することをおすすめしています。

南 同時にジョブディスクリプションを明確にしようということですよね。

有沢 そうです。カゴメはジョブディスクリプションをベースにしたジョブグレードを課長クラスにまでつくりました。もちろん私のジョブグレードもありますし、ミッションが何かも明確にしています。海外においては、マネージャー以上にすべてジョブグレードを導入するためのジョブディスクリプションをつくりました。自分の1年間の仕事は、それと合っていたかを「バランスト・スコアカード」で見ています。

南 先進的ですね! 日本のトラディショナル・カンパニーで管理職にジョブディスクリプションをベースにしたジョブグレードがあるとは、ほとんど聞いたことがありません。

有沢 ある意味つくって当たり前というか、それをしないと何をもって評価するのかわからないですから。

個人が個人を
プロデュースする時代に

南 今後、特に読者である30代、40代の方の働き方はどのように変化すると思いますか?

有沢 個人に働き方を強制することも、個人自らが働き方を考えて変えるのも難しいので、人事がサポートする仕組みをつくるべきだと思っています。例えば、フレックスや在宅勤務のような多様な働き方を認める。カゴメは女性社員の産休育休取得率がとても高いので、サポートする仕組みが必要です。とはいえ、どの職種・ポジションでもビジネスパーソン一人ひとりが覚悟をもって仕事をしているか、働き方について考えているかが重要だと思います。