マツダは、スカイアクティブ技術の実用化で一気に業績を回復させた。前3月期決算でも売上高3兆339億円(対前期比13%増)、営業利益2029億円(同11%増)、経常利益2126億円(同51%増)、純利益1588億円(同17%増)と、売上、利益とも2ケタの伸びを示し、連載第2回で取り上げた富士重工業(スバル)と共に、業績の急伸長が注目されている。

 一方トヨタグループは、すでに子会社化したダイハツと日野に加えて、資本提携関係にあるのが富士重工業(トヨタ出資比率16.48%)、いすゞ(トヨタ出資比率5.89%)という布陣。連載第2回で指摘したように、富士重工とは順調な提携関係を続けているが、いすゞとは当初のディーゼルエンジン供与などが進んでおらず、現状では微妙な関係にある。

 両社のトップも認めるように、トヨタとマツダは、トヨタが三河の豊田市に本拠を置くのに対し、マツダが広島の府中町に本拠を置くという土壌・文化が似通っていることもあり、中長期で幅広く協業できるとの共通認識を持つ。ただ、資本提携関係までいくかというと現時点では読み切れない。マツダの筆頭株主は三井住友系の信託銀行で三井住友銀行が主体だが、米フォードも2.1%出資比率を残している。フォードの出資分を、いずれトヨタが引き継ぐかどうかだろう。

 トヨタ・マツダの業務提携発表以来、マツダの公式SNSには「マツダはトヨタと組んでマツダらしさを失うことにならないだろうか」など、マツダの行く末を心配する反応が多く見られた。それだけ、マツダ復活を応援する一般ユーザーが増えているということであり、5月21日には小飼社長自らマツダのSNSで、こうした不安に答えるコメントを発したほどである。

トヨタ・マツダに触発されるか?
いすゞ、三菱自、スズキの動向

 トヨタ・マツダの包括的業務提携の行方は今後の展開を見守るとして、自動車業界ではこの提携に触発され、生き残りの道を模索するための新たなステップに踏み出す動きが加速しそうである。

 日系自動車メーカーのなかで注目すべきは、トヨタグループのいすゞ、三菱グループ主力企業で優先株を解消した三菱自動車、独VWとの資本提携解消で国際裁判が今夏までに決着しそうなスズキの動向である。