トヨタグループの日野、ダイムラーベンツグループの三菱ふそう、ボルボグループのUDトラックスと共に、日本のトラックメーカー4社の一角を占めるいすゞは、トヨタや日野との関係が進展せず、結局米GMと復縁する可能性が濃い。

 三菱自動車は、ベンツとの資本解消を経て一時は仏プジョー・シトロエン(PSA)との提携も志向したが、三菱グループ支援下での再建が先行された。その後、軽自動車の開発合弁を日産と展開したことで、日産との関係強化かと見られたが、両社の文化や土壌の違いもあり、果たしてどうなるか。

 スズキは、GMの経営破綻により独VWとの資本提携に進んだが、VWの覇権主義に鈴木修会長兼社長が反発し、資本提携の解消を訴える国際裁判が行われている。これが今夏頃までに決着しそうだが、その後はスズキをここまでの企業に伸し上げた鈴木修会長の経営判断次第となる。ちなみにVW問題が決着すれば、鈴木修会長兼社長が社長の座を形式上後継に譲ることも予想される。

日系自動車各社は生き残り
への決断を迫られている

 いずれにせよ世界自動車大再編は、筆者が指摘した通り、第五幕目を迎えつつある。リーマンショックという危機は乗り越えたものの、自動車各社がグローバル経営で持続的成長を維持し続けるための合従連衡は、今後も進んでいくだろう。

 カルロス・ゴーン・日産社長兼ルノー会長は、「ますます世界の自動車の合従連衡が必要になる」と日産の決算発表で強調した。ゴーン氏は、「ルノー・日産アライアンスをこの16年間、成功させてきた」と自負を語る。ルノー・日産連合は、ダイムラーベンツとも戦略的協力関係を築き、OEM契約などを展開している。ただゴーン氏の足元には、仏政府のルノーへの関与強化により、16年間の流れを継続できるかどうかという課題もある。

 筆者は、1999年にダイヤモンド社から『トヨタの野望、日産の決断―日本車の存亡を賭けて』という著書を上梓したが、足もとでリーマン前を超える営業利益2兆7000億円を確保し、持続的成長への野望を再び強めるトヨタの姿などを見るにつけ、日系自動車各社が「生き残りへの決断」を迫られていることを、改めて実感している。