株価の調整は「未了」

 日本銀行は経済見通しを大きく下方修正した。2008年度の実質GDP成長率を+0.1%→▲1.8%、09年度も+0.6%→▲2.0%という大幅なものだ。

 グローバルリセッションに対応した下方修正だが、日本の景気後退が深刻化することを「公式表明」した点に注意が必要である。マイナス成長下では、当然、企業業績悪化は一段と進行する。09年3月期が大幅な減益であることを株式相場は織り込んでいるが、10年3月期には「淡い期待」を抱いている投資家は少なくない。

 しかしながら、この甘い願望は粉砕されることになろう。なぜならば、マイクロソフト、ノキア、サムスン電子、インテルといった「ハイテクの巨人」の決算が、いずれも予想以上の悪化を見せたからである。インテルのオッテリーニCEOは、「今回の米国の景気後退は、私の人生で最悪のものだ。需要はより弱くなるだろう」と悲観的な見通しを述べている。