謙虚な目線で
ライバルを分析しているか?

 逆に、ターゲットとする顧客が望む、ライバルよりもより良いQPSの組み合わせを見出し、それを商品やサービスに落とし込んで提供することができれば、必ず業績は向上します。

 一方、ライバルのQPSを正確に分析するためには、二つのことが必要です。

 一つは、QPSを正確に把握するために、業務に精通していることです。たとえば、私は、アパレル会社、自動車部品メーカー、教育関連、化粧品会社などの社外役員をしています。もちろん、一般の方よりは、それらの業種の内容については理解していますが、その業界に長くいる人にはかないません。

 ライバルのQPSを正確に判断するためには、その業界の専門知識などが必要なのです。ただ、これに関しては、各社の経営陣には自社の事業分野についての専門家が多くいるでしょうから、普通はそれほどの心配はいりません。知恵を集めることで解決することも少なくないでしょう。

 ライバルのQPSを正確に把握するために、もう一つ重要なことがあります。それは、経営者がライバルに対して偏見を持たないことです。実際に、持っていないつもりでも実は偏見を持っている場合も少なくないのです。内心、ライバル社などたいしたことはないと思っていたり、逆に差が有りすぎて自社は絶対にかなわないと思い込んでいたりするのです。

 そうではなくて、素直で謙虚な目線で、ライバル会社のQPSがどういう組み合わせになっているのかを見極めてください(これも訓練で必ず向上します。素直に見ようという気持ちを持つことです)。

 自分の会社や自社商品に対して、「思い入れ」を持つのは悪いことではありませんし、むしろ思い入れや愛着を持っていなければ、良い商品、良い仕事はできません。ただ、「思い入れ」が過ぎると「思い込み」になります。思い込みを持つと、バイアスが掛かってしまうのです。

 他社製品などたいしたことはない、あるいは、逆に他社に敵うわけがないといったバイアス(偏見)を決して持たないこと。経営者としてはもちろん、ビジネスマンとして成功したいなら、素直な目で物事を見ることがとても大切です。