「ガラケー」⇒「スマホ」で、何が本質的に変わったか?

【堀江貴文×森川亮 特別対談(1)】<br />「ちょっとしたイノベーション」が成功のカギ!<br />堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年福岡県八女市生まれ。実業家。元・株式会社ライブドア代表取締役CEO。民間でのロケット開発を行うSNS株式会社ファウンダー。東京大学在学中の1996年、23歳のときに有限会社オン・ザ・エッヂ(後のライブドア)を起業。2000年、東証マザーズ上場。2004年から05年にかけて、近鉄バファローズやニッポン放送の買収、衆議院総選挙への立候補などといった世間を賑わせる行動で一気に時代の寵児となる。しかし2006年1月、証券取引法違反で東京地検特捜部に逮捕され懲役2年6ヵ月の実刑判決を下される。2013年11月の刑期終了後、事業家として再始動。30万部を突破した『ゼロ』(ダイヤモンド社)、最新刊『逆転の仕事論』(双葉社)など著書も続々刊行。

森川 まず、今後のプランですね。今はまだまだ機能が揃っていない状態ですが、まずはフォロー機能を追加する予定です。自分の好きなライフスタイルを持つ人をフォローすることで、その人がアップした動画がタイムラインに流れていくようになります。Instagramの動画版と言えばわかりやすいでしょうか。

堀江 でも、ファッション系のサイトではスタートトゥデイの「wear」もありますよね。どういった差別化を考えているんですか? もちろん動画か写真かという違いはあるけれど、彼らもいずれ動画を取り入れてくるでしょう。

森川 「wear」はどちらかというと、データベース的な発想ですよね。リアルタイムの情報というより、カタログに近い。僕らは、いまのシーズンを捉えてひとつのメディアとして編集します。社内で旬のテーマを設定して、それに沿った動画を撮ってきてもらったり。さらに、アルゴリズムを駆使して、ユーザーひとりひとりの好みに合うような動画ファッション雑誌をつくっていきます。

堀江 あ、カスタマイズされていくんですね。テーマというと、具体的にはどんなものですか?

森川 これから梅雨に入るというときであれば雨のファッションとか、梅雨グッズとか。要はそれって、雑誌の特集と同じ役割でしょう。

堀江 なるほど。特集記事をパラパラ眺めるような。

森川 基本的にC CHANNELが流すのは40秒程度の短い動画ですが、ひとつ見終わったら関連する次の動画、それが終わったらまた次、と視聴する人が多い。動画のチェーンがつながっていくようなイメージです。そうそう、今後の展望につながる話になりますが、動画ってまだ「検索文化」が根強いんですよ。

堀江 ああー、たしかに。YouTubeとかまさにそうですね。

森川 僕らは、「自分が好きな動画が自然と並んでいる」状態を目指しています。動画がどんどんつながっていって、自分が見たい動画、知りたい情報にどんどんピントが合っていく。

堀江 はい、はい。

森川 人って、ある情報量までは「探すこと」そのものを楽しいと思うんです。でも、一定量を越すとだんだん面倒くさくなるもので。

堀江 たしかに。誰かキュレーションしてくれないかな、と。

森川 そうそう。サイトやアプリを開いたとき、自分の求める動画が並んでいたらラクだしうれしいでしょう。

堀江 心地いいでしょうね。僕、さっき森川さんがおっしゃった「好きな動画が自然と並んでいる」の「自然と」ってすごく大事なことだなと思っていて。平成生まれの寺田さんは、ガラケーからスマホに移行したときなにがどう変わったか覚えてる?

——ええっ。なんでしょう。検索がしやすくなった、画面操作がしやすくなった……。

堀江 そう。そういうことをひっくるめて、ガラケーのときに「うっ」と引っかかっていたポイントが解消されたでしょ?

——「うっ」としたこと?

堀江 文字を打つにもボタンをカチカチ押さないといけないとか、画面をスクロールするのにもカチカチ押さないといけないとかさ。今思えば必要のない動作がすごく多かったでしょ。

——あ、言われてみれば。

堀江 じゃあ、なぜそうだったのかというと、ガラケーの設計思想はプログラマー寄りだったから、なんです。