「ここ5年ほど、午後4時から午後9時頃まで、塾に通う子どもに困り果てていた。駅付近の歩道を10人くらいで横に歩く。後ろを歩く人に気を使うことはしない。そしていきなり、大きな道に飛び出す。駅付近で追いかけっこをして、通行人にぶつかったりもする。謝ることをしない。それどころか、叱る大人に言い返す子もいる」

「飛び出しはいつも多い。人に気を使うことができない。行動は、頭の悪い子と変わらない。有名私立に通う子には見えない。常識を見事に知らない」

「迎えに来る親のマナーが滅茶苦茶。あんな親では、バカな子が育つ」

地域で本当に慕われているのは
学習塾ではなく暴力団員という現実

 この春、商店街の通りでは、大道芸人たちが集うフェスティバルがあった。通りに面する店はビールや焼きそば、ハンバーガーなどを販売する。そこを暴力団員が、子分を数人連れて歩いていた。その姿を見かけると、店主たちが声をかける。暴力団員はそれぞれの店で焼きそば、ハンバーガーなどを買い、子分に持たせていた。その数は数十になる。「地域への貢献」と言えるのかもしれない。

 店主たちに聞くと、塾の社員たちは室長以下、1人も現れないという。普段から、店に顔を出すこともほとんどないようだ。新聞やテレビ、雑誌などが決して伝えない、企業社会の断面がここにある。企業が本来、大切にしなければいけないものを、この暴力団員は教えているのではないだろうか。


タテマエとホンネを見抜け!
「黒い職場」を生き抜く教訓

 今回登場した学習塾や室長は、企業社会のホンネとタテマエを見抜くことができていない。筆者がこの事件から感じ取った教訓は、次の通りだ。似たような境遇にいる読者は、参考にしてほしい。

1. 世の中は「お金」と
「感情」で動いている

 子どもたちの言動は、塾として、地域として、家庭として厳しく否定されるべきものだ。だが、事件の「主役」と言える暴力団員の行為には、その脅迫じみた行動をとってみても、やはり問題があるのではないだろうか。塾は警察に通報しなかったようだが、理解に苦しむところだ。

 これらを踏まえた上で、考えたいことがある。なぜ、商店街の店主たちは暴力団員を擁護し、塾や子ども、その親たちを否定するのか。その理由は、少なくとも2つあると思う。