グラフを見ると、「私の履歴書」登場の前年の相対ROEは(東証一部の平均よりも)2%以上のプラスだ。ところが、企業が「私の履歴書」に登場すると、翌年、翌々年とROEが低下し、登場の2年後には東証一部の平均を2%以上、下回っていることが分かる。昨今、経営指標として話題のROEが4%も下がるとあっては、企業としては一大事だ。

 これは、この10年間に起こった、「たまたま」の現象なのだろうか? この現象には、何らかの納得的な理由があるのだろうか? あるいは、「私の履歴書」自体がROE低下の原因になる訳があるのだろうか?(まさか!)

 近年、中学入試問題などで、データを見せて「このデータから何が言えるか?」と問うものが増えている。何がありそうか、読者もしばし説明を考えてみてほしい。

一時的な現象ではない!
期間をさらに拡げて見ると…

 はじめに、「この10年だけか?」を考える上で参考になる事実をお伝えしておこう。

 実は、栗田氏は、1996年〜2015年に対象を拡げた調査も行った。この期間の登場企業数は83社あったが、これらの企業の相対ROE推移の平均像はT−2(登場前々年)が+2.0%で、T+2(登場翌々年)は−3.0%、さらにその翌年のT+3では−4.0%という惨憺たる結果が出ている。栗田氏は「“『私の履歴書』に登場したら最後、その後は呪われたかのように決まってROEが低下する”ということが判明した」とレポートに記している。

 力作のレポートから図を2つも引用しては申し訳ないので、あえてこの期間のグラフは掲載しないが(ご興味のある方は、岡三証券に問い合わせていただきたい)、「私の履歴書」登場後だけで4%、前の期間も含めると6%もの相対ROEの低下があるとは恐ろしい!

 どうやら、何か理由がありそうだ。