また、商事の場合、「早ければ8年目くらいで管理職の課長級に昇格して、残業代は付かなくなる」(商事30代社員)。それでも、ベースが上がるため、大台は超える。

 さらに35歳の標準年収が1350万円。30代後半になれば、部長代理級に昇格していくが、標準年収は1500万円前後にもなる。うわさにたがわぬ高給ぶりだ。

 一方で、伊藤忠の場合は「40歳の平均年収が1500万円前後になる」(伊藤忠40代管理職)という。そのため、商事の方が昇給ペースは若干早い印象となった。

 ただ、業績が絶好調の伊藤忠は近年、急速に給与水準が上昇している。商事の40代幹部は「業績連動の割合が高くなる部課長クラスになると、伊藤忠に逆転されているのでは」と語る。収益面で躍進著しい伊藤忠が社員の収入面でも、王者の商事を凌駕しようとしているようだ。

 伊藤忠はさらに、管理職を対象にした新たな報酬制度をスタートさせる。社員は課長や部長などの役職に昇格するたびにポイントがもらえ、退職時にポイントに応じて自社株を受け取れる。

 最大1万株を手にすることができる。6月19日の終値で計算すると、最大1679万円を退職金とは別に受け取れるというわけだ。

 また両社とも50歳前半ごろから、同期の出世頭が執行役員になり始めるが、役員報酬の伸び代でも、商事は「業績にもよるが執行役員の報酬が4000万~5000万円程度」(商事中堅幹部)。これに対し、より業績連動の振れ幅が大きい伊藤忠の執行役員は「結果を出せば、5000万円台の報酬を受け取れる」(伊藤忠幹部)。

三菱商事の手当は
超の付く高待遇

 もちろん、ここまでの高額報酬を享受できるのは、熾烈な社内の出世競争を勝ち抜いた一握りの役員だけ。しかし、商社マンにはたとえ出世がかなわなくとも、実入りの大きな収入がある。

 営業部門の商社マンならいまや大半が経験する海外駐在時に本給に上積みされる手当である。

 代表的なのが先進国への赴任でも支給される海外赴任手当。国内でも支給される通常の月給に加えて、毎月10万~20万円を受け取ることができるという。

 それだけではない。さらにおいしいのが、主に新興国に赴任する場合に支給されるハードシップ手当、いわゆる危険地手当だ。