7月20日がデッドライン
それまでにギリシャが折れるか

 言い換えれば、これらがギリシャにとっての“デッドライン”となる、ということである。ECBやEUの支援なしにギリシャが事態を乗り切れる可能性はゼロであり、このままでは同国は遅かれ早かれ“本当のデフォルト”に追い込まれる。要は、それまでの間に、ギリシャが現実路線に転換できるか否かだ。

 その意味で、まず最初の節目となるのは、やはり7月5日の国民投票だ。

 国民投票は、“支援の条件となる、債権団の財政再建策を受け入れるか否か”を問うもので、先述の通り支援プログラムは6月30日で失効しているため、7月5日の時点ではすでに意味を失っている。ただ、その結果はギリシャの姿勢を占う意味で重要な材料とされるだろう。なお、ギリシャが国民投票自体を撤回し、債権団に対して新たな提案を行うこともあり得るが、可能性としては低い。

 今のところ、国民投票の結果は「Yes」、つまり債権団の要求を受け入れることになるとの見方が大勢を占める。銀行預金の引き出し制限等で最も打撃を被っているのはギリシャ国民自身であり、常識的に考えれば、国民は事態の深刻さを認識せざるを得ないからだ。そうなれば、支援の再開・延長に向け、協議が再開される芽が出てくる。

 ツィプラス政権がどうなるかも、ポイントである。いずれにせよツィプラス首相は辞任せざるを得ない、との見方が大勢だ。この場合、新政権が後を引き継ぐか、解散総選挙となってその間は暫定政権が成立するかとなる。国民投票の結果が「Yes」であれば、新政権はより現実的な姿勢を取り、交渉が再開される可能性が高いだろう。

 これが「最良シナリオ」(中空チーフクレジットアナリスト)である。一方、「最悪のシナリオ」は、国民投票の結果が「No」となり、ツィプラス首相も居座って強硬姿勢を崩さない場合だ。こうなると、ギリシャのユーロ離脱の現実味が一気に高まる。