異業種共同研究だからこそ、俯瞰的視点で捉えられる
今回の“この先シニア”共同研究には、KDDI&KDDI総研、サントリー食品インターナショナル&サントリーフーズ、ファミリーマート、富士重工業の6社にご参加いただきました。また、花王をクライアント企業に“Hanako研究”プロジェクトも並行して進めてまいりました。新刊『シニアビジネスの新しい主役 Hanako世代を狙え!』の第3部では、ご参加いただいた企業の最新の取り組みについて紹介しています。
弊社では、年に1、2回、旬のテーマを設定し一業種一社の異業種による共同研究を実施しています。複数の企業が共同で調査・分析を進めることで、複合的視点から生活者の意識を捉えることが可能になります。
今回も、最終的には、各企業の商材に落とし込む形でプロジェクトは進行しましたが、そのプロセスでは、参加企業同士でそれぞれの気づきや考えられる開発ポイントなどを共有すべくディスカッションやワークショップを行ないました。これらは自社内のコミュニケーションからだけでは見えてこない、可能性の発見や気づきにもつながるのです。
ひとつのカテゴリーや商材だけを掘り下げるのではなく、俯瞰的な視点が持てる、異業種を募って行なうプロジェクトは非常に有効な取り組みであると考えています。
KDDIの取り組み――シニアにスマホを持ってもらうためには?
スマホにまだまだ二の足を踏むシニア層を、どのように取り込むかは大きな課題です。本プロジェクトでは、団塊世代は旅行など非日常を充実させたいと思っているが、Hanako世代は日常を充実させたいという気持ちが強いことが大きな発見でした。
つまり、団塊世代男性の場合などは、スマホを旅行に持っていくことを想定してカメラの画素数や通信速度など、モノとしてのスペックを気にします。