富士重工業の取り組み――中長期視点を持って、グローバルに将来商品を展開するために

 Hanako世代は、10代でスーパーカーブームを経験し、その後、RVブームやミニバンブームを牽引しており、そもそもクルマ温度が高いと言われている人たちです。本プロジェクトでは、5年後の商品開発に向けて、クルマを取り巻く環境に今後どのような変化が起こるのかがクリアに見えてきました。

 Hanako世代女性は「自分を輝かせたい、輝きたい。それを周囲のみんなにわかってもらいたい」という思いを強く持っている人たちでした。子育て終了などとともに、国内旅行やコミュニティの広がりが活発化していく可能性が高く、そこには何かしら移動手段が必ず登場します。

 今後50代後半になると、ますます「自分」比重が高いクルマ選びになっていくと推察されます。そこには非日常が感じられるようなオープンカーなどではなく、日常生活をそのままグレードアップしてくれるようなクルマであることが重要になるでしょう。

 いずれにしても、“この先シニア”Hanako世代のお出かけ意欲を見るにつけ、今後のクルママーケットがポジティブな方向に動くことは確実だと捉えています。

花王の取り組み――超高齢化社会を前向きに切り拓くHanako女性を研究する

 花王では、超高齢社会を見据えアクティブシニア事業センターを設けました(2012~2014年)。その研究対象として、5年後には一番上が60代に突入する“この先シニア”Hanako世代に着目。とりわけ働く女性として、あるいは社内とつながる女性としての側面にフォーカスをしました。

 そこで見えたのが、自分の生き方・生きざまが社会のためになっていると信じているHanako女性の姿でした。今後も自分たちが社会をつくっていくくらいの勢いを持っています。

 ただ、それもソーシャルではなく、ビジネスなのがHanako女性独特の価値観。消費者としてお金を遣うことも貢献であり、社会が持続することに役立っていると思っているのです。