いつまでも女性として輝きたい人を主役(ヒロイン)に

 従来のシニア女性、例えば団塊世代女性は、「妻・主婦・母という役割を担う自分」として生きてきました。対してHanako世代女性は、「いつまでも一人の女性として輝く自分」でありたいし、その自分像を周囲から認められ賞賛されたいのです。妻・主婦・母の役割は、自分の一側面に過ぎません。子育てが終了し仕事もリタイアするこれからは、時間もお金も自分が輝くために使いたいと思っています。

 なので、もう「○○ちゃんママ」と呼ばれたくないのが、ホンネです。早い人はすでに孫がいますが、孫の世話に利用されるというよりは、子どもや孫が本来なら主役のイベント、例えばお宮参りや七五三であっても、自分が主役になりたいくらいです。

 そして夫からも再び女性として見直されたいので、結婚記念日や誕生日のサプライズプレゼントも、大歓迎です。きっとドラマや映画の主人公のように、大袈裟に喜んで見せることでしょう(主演女優ですから)。

 また、従来男性が購入決定権を持つと考えられているカテゴリー、例えばクルマが典型例ですが、Hanako世代女性は意思決定プロセスに積極的に関与します。ディーラーを訪れた当該世代女性が、営業マンが自動ドアを夫が通る時は足で開けて迎えてくれたのに、自分が通ろうとしたらすでに背中を向けていた……と怒っていました。

 もちろんそのディーラーから、クルマは購入されませんでした。女だからといって舐めてはいけない、一人の女性として尊重せよ、ということです。

攻略視点1:Hanako女性が輝き続ける方向性は、日常生活のアップグレード

 “この先”シニアのHanako世代女性は経験主義者・リアリストゆえ、日常生活を自分らしくアップグレードすることを目指します。“今どき”シニアが、非日常(海外旅行や孫がらみのイベント)にお金を使うのとは対照的なので、注意が必要です。日常生活を彩るカテゴリーとして、ファッション、美容、趣味の3分野には、5年後もきっと興味・関心を持ち続けるでしょう。