巨大投資プロジェクトが目白押し
AIIB、AEC効果で超巨大経済圏誕生も

 ドバイは、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、オマーン、カタール、クウェートの6ヵ国が加盟する湾岸協力会議(GCC)諸国へのゲートウェイとしても期待されている。MENASAの中でも市場規模が大きいGCC諸国は、計4100万人の人口を抱え、1人当たりのGDPは2万2000ドルほど。20年までに公共部門インフラと流通部門に約1兆ドルが投じられる見込みだ。プロジェクト数は1600を超えるという。

 目玉となる投資プロジェクトは、計300億ドルが投じられるGCC域内を結ぶ鉄道建設だろう。このほか、レール敷設、車両購入、地下鉄建設、トラム建設など鉄道関連に計790億ドルが投じられる予定だ。

 14年5月にドバイで「世界自由経済圏組織(WFZO)」が創設されたことにも留意すべきだろう。WFZOは、ドバイ首長国首長兼UAE副大統領・首相ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム氏が発起人となり設立された。スイス・ジュネーブで登録され、ドバイを本拠地とする国際機関だ。

 WFZOは、自由経済圏の設置や運営に関する情報を共有し、その普及を目的としている。ドバイの急速な発展を指揮してきたムハンマド氏が立ち上げた機関であることを考慮すると、ドバイと同じようなスキームの自由経済圏がMENASA域内に広がる可能性が十分ある。そうなると、MENASA域内での投資機会は急速に拡大すると見込まれる。

 15年はASEAN経済共同体(AEC)の発足、そして中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)が始動を予定している。AECとAIIBが本格的に始動した場合、東アジア経済圏と東南アジア経済圏は少しずつ統合に向かうかもしれない。将来、この経済圏がMENASA経済圏と交わり、超巨大経済圏が生まれる可能性もゼロではないだろう。

(細谷 元/Gen Hosoya Singapore & 5時から作家塾(R)