高中の“ブルー・ラグーン”は、まさにそんな音楽です。歌のない歌謡曲と言うべきか、“よく歌う”ギターによる楽曲です。微妙に変化する音色と、完璧に制御された技術で、ギターが歌っているわけです。しかも、メロディーが開放的で楽天的です。

 “人生いろいろあるかもしれないけれど、そんなに悪いはずがないじゃない。希望に溢れた明日が、きっと君を待っているからさ。そんなに心配しないで”

 とでも語りかけてきそうな音楽です。今から35年も前ですが、日本中で大ヒットし、一世を風靡しました。この曲を聴いたことがきっかけで、エレキギターを手にした若者も数え切れないほどです。

 高中自身は、高校在学中から楽才を示し、最初はベーシスト、そしてギタリストとしてスタジオで頭角を現します。天才・加藤和彦に見出され、サディスティック・ミカ・バンドに参加。英国公演では、耳の肥えたロンドンっ子をも魅了し、実力を見せつけます。

 その後、独立し5枚目のソロアルバム「Jolly Jive」(写真右上)の冒頭に収録されたのが“ブルー・ラグーン”です。この曲は、いつ聴いても、日本の夏を彩る名曲です。

 もちろん、ライブの定番曲でもありますが、デビュー40年目に発表した「40年目の虹」(写真右下)でも、“ヤング・アット・ハート”の心意気で、ギターを弾き倒している姿が本当にかっこいいです。やっぱり、天性のギタリストです。ずっと現役で腕を磨き、ギターを輝かせ続けているところは、“日本のジェフ・ベック”と呼びたいです。

 そして、夏にぴったりのギターの名曲をもう1選。

◆押尾コータロー“太陽のダンス”

 押尾コータローは、日本が生んだ天才ギタリストであり、作曲家としてのセンスも抜群です。メジャーレーベルからの第2弾アルバム「Dramatic」(写真左)収録の“太陽のダンス”は、夏にぴったりの曲です。某民放の情報番組で使用されていたので、聴いたことがある人も多いでしょう。

 とにかく、1台のギターだけで成立しているとは信じ難いほどの、豊かな響きとリズム感が満点の名品です。特殊なギター奏法で奏でるアコースティックギターの妙味を是非味わってみてください。