最も大事なのは働き・稼ぐ方法だ
自分自身の「人材価値」をつくれ

 お金の問題、もう少し広く、人生を経済的に豊かに暮らす上で最も重要なのは、いかに働き、いかに稼ぐか、さらに稼ぐための能力や機会をいかに手に入れるかだ。

 例えば、多くの人が老後に不安を覚え、「老後難民になるぞ」と脅されて、妙な経済行動に走ってしまうのは、老後には稼ぐことができないからだ。

 拙著はキャリアプランニングを説くことを主目的とする本ではないが、まず、会社や官庁などの所属する組織ではなく、自分自身の「人材価値」を頼りにすべきだと主張した。そして、その人材価値をつくり、さらに活かすには、いずれも「時間」が必要なので、職業的人生計画、つまりキャリアプランニングを持つことが重要なのだと強調した。

 キャリアプランニングにあたって典型的に重要なのは、「28歳」、「35歳」、「45歳」の3つの期限の目処となる年齢だ。28歳は自分が時間と努力を投資すべき分野を決める「職業選択の期限」、35歳はこの頃までに自分の職業的スキルを仕事の実績で表現して「人材価値を確立する期限」、45歳は職業的な第二の人生について具体的に考え始めるべき「セカンド・キャリアプランニングを考え始めなければならない期限」である。

 相続税を逃れるために海外にいて人生の暇を潰すことが最大の経済価値を生むような超富豪の子弟を除くなら、ほとんどの人にとって、どう働いて、どう稼ぐかが、最も重要な経済的意思決定だ。

 もちろん、人材価値の範囲は広い。狭い意味の能力だけが源泉なのではなく、人に好かれる愛嬌とか、誰と深い知り合いであるかといったその人が持っている人脈も人材価値のもとになる。