こうした諸問題を、知っていながら報道しようとしないマスコミにも責任の一端はある。マスコミが適切な論調で賛否や批判を行わないことが、規制委・規制庁が自ら襟を正す機会を失わせている遠因なのだと私は思っている。規制委・規制庁の活動原則には「意思決定のプロセスを含め、規制にかかわる情報の開示を徹底する」とある。

 事業者の意見に耳を傾けないことや、旧原子力安全・保安院時代の許認可に携わった専門家を排除することで、原子力規制が厳しくなったことをアピールしているつもりなのではないか、と疑ってしまう。規制委・規制庁には、「通常の公正中立な行政機関」になってもらいたい。

 超長時間の審査が原子力施設の安全性を高めることにつながるわけではない。むしろ、審査中であっても早期に発電再開を認める運用とし、十分な安全投資を行うための原資を確保させるほうが、よほど安全性は高まる。「停止していれば安全だ!」などという原発運営は、世界のどこにもない。この点は、7月6日付拙稿「米国の専門家が評価『柏崎刈羽原発の安全性は世界最高水準』」でも指摘した。

言葉の意味さえねじ曲げる
規制委・規制庁の強弁

 以上、規制委・規制庁による活断層評価には大いなる矛盾があることを説いたわけだが、規制委・規制庁が先日公開した日本原電との面談記録で、この事実が明示された。

 先述の経緯にあるように、2013年5月に有識者会合の結論を根拠に"活断層"と「判断」したにもかかわらず、2014年12月になって有識者会合の位置づけを「知見の一つとして参考」と変更したが、「従来から変わっていない」と説明している矛盾などについて、事業者の日本原子力発電は、2014年12月5日以降、再三にわたり規制庁に質問していた。

 7ヵ月経った7月8日、ようやく規制庁から回答があったことが面談記録で公表された。なぜ、有識者会合の根本に関わるこの質問の回答が7ヵ月も要したのか、しかも文書ではなく口頭で済むような内容に、どうして時間がかかったのか疑問は残るが、この回答内容を見てますます矛盾を感じた。

 当日の議事要旨によると、規制庁は「(有識者会合が評価書を)『了承』については、『承知した』と同義で用いたものであり、有識者会合の報告を“受けた”ということである」と事業者に回答したとある。この回答に対して、7月13日の面談で事業者は規制庁に対して、次のように反論している。