VW日本法人社長が突然辞任
順調だったはずの同社にいったい何が?

いったいVWに何が起きているのか
Photo by Ryosuke Shimizu

 世界の新車販売で今上期、フォルクスワーゲンがトヨタを抜いて首位奪還というニュースが流れた矢先に、VW日本法人の社長が突然辞任することが明らかとなり、「VWに何が起きたのか?」と、輸入車業界で大きな話題を呼んでいる。

 7月31日付けでフォルクスワーゲングループジャパン(VGJ)は、庄司茂代表取締役社長の辞任を発表。これがまさに突然のことで、VGJは「本人の意向」と社長の辞任理由をコメントしたものの、その真意はどうも異なるようだ。

 庄司茂氏は、伊藤忠商事出身で海外での自動車事業経験が長く、3年前に独VW本社入りし、日本法人社長に派遣された。氏は、日本の輸入車業界団体の日本自動車輸入組合(JAIA)理事長も務めていたが、突然の辞任で、JAIA理事長職も空席となる事態となった。いったいVWに何が起きているのか。

 独VWは、今やトヨタと世界の覇権争いをする「世界の自動車ビッグ2」だが、本国でVW帝国の絶対的なリーダーとして長らく君臨してきた「ドクターピエヒ」ことフェルディナント・ピエヒ氏が、この4月25日にVWの最高意思決定機関である監査役会会長を辞任。これを独メディアは、VWの「お家騒動」と伝えた。

 どうもVW本体内部が揺れ動いていることは確かであり、ピエヒ後継とされていたマルティン・ヴィンターコーン社長が安泰かというと、そうでもないようだ。同社には、昨年の販売が2%減の59万台にとどまった米国事業への不満、トップを走ってきた中国事業が経済停滞の影響を受けそうなことに対する懸念、といった課題があった。二輪車から大型トラックまで12ブランドを抱えるVWグループだが、6割を占めるVW乗用車事業の利益率がアウディの半分以下(前期実績)というのが内情だ。

 日本法人トップの7月末の突然の辞任も、VW本体のお家騒動の余波とも受け止められよう。それというのも、伊藤忠商事出身の庄司茂氏は、3年前の2012年6月にヘッドハンティングで独VW本社入りして以降、8月に日本法人社長に就任してから、意欲的な動きを見せてきたからだ。