テレビを通してこれらの試合の迫力に触れると、現地まで行って生で観戦したいと思う欲求も生まれる。実際、ネットで「欧州サッカー観戦」、「MLB観戦」といった言葉を入れて検索すると、旅行会社の海外スポーツ観戦ツアーの案内がずらりと出てくる。往復の航空券と宿泊、そして観戦チケットがついて4泊5日・30万円といったツアーだ。こうしたツアーが数多く企画されているということは、それだけのニーズがある証拠である。

 すべてがお膳立てされたツアーだけでなく、海外で行われるスポーツイベントのチケットをネットで購入することもできる。「ワールドスポーツコミュニティ」というチケット販売会社のサイトを見ると、欧州サッカーや北米4大プロスポーツはもとより、錦織圭が参戦するテニスツアーや松山英樹が出場するPGAゴルフツアー、フィギュアスケートからモータースポーツ、競馬まで海外で行われるほとんどすべてのスポーツ観戦チケットが買えることがわかる。

 旅行会社の観戦ツアーの場合は、日本のスポーツファンが見たがりそうな(田中将大が登板予定のヤンキースやイチローが出場するマーリンズなどの)試合を売り物にして企画されるが、それではもの足りないマニアックな層、日本人選手の有無よりも「このチームの戦いぶりが見てみたい」というニーズに応えているわけだ。そしてその観戦チケットを確保したうえで、旅行会社で航空券や宿を手配する。こうした会社が成り立っているのは、海外で行われるスポーツの生観戦熱が盛り上がっている証しだろう。

対戦相手次第で値段はピンキリ
レアルMの試合で3万弱から20万強まで

 この会社が扱う観戦チケットの値段がまた興味深い。たとえば香川真司が所属するドイツ・ブンデスリーガ、ドルトムントの試合。席種は間近で見られるサイドライン1階(S1)、サイドライン(S)、座席指定なし(F)の3つに分かれていて、最も安いチケット(相手が地味なチーム)はS1が1枚3万9000円、Sが3万4000円、Fが2万9000円だ。これが強豪バイエルン・ミュンヘンとの試合になると値段は跳ね上がる。S1が10万4000円、Sが8万4000円、Fが7万1000円だ。この値段は妥当なのか。

 ドルトムントサポーターが購入するチケットの正規の値段はこの10分の1以下だろう。だが、BSなどのテレビ放送で観れば分かるようにドルトムントの試合はいつも超満員。遠く離れた日本のファンが正規料金のチケットを買うのは不可能だろう。チケットを手配する会社はあらかじめシーズンチケットを押さえておくといったことをしているはずで、その手数料などを上乗せしたのが、このチケット代金なのだ。