同じように顧客ととても近い距離で接することが多いために、一歩先ゆくニオイ対策をすでに行っている企業もある。それがメガネの製造・販売を手掛けるオンデーズだ。

オンデーズが店舗バックヤードに貼りだしている「ニオイ対策チェックシート」
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 同社の店舗では、販売するメガネを調整するために顧客の顔に近づくことがしばしばある。以前から清潔感を重要視してきた同社だが、お客様相談窓口に寄せられた「店舗スタッフのタバコのニオイが気になる」という意見をきっかけに、社内の服装規定にニオイの項目を設けるなどをし、社員の意識向上を行ってきた。最近ではそんな対策をより深める活動をおこなっている。

「外国人スタッフも増え、考え方や価値観が多様化してきています。そんななかで『ニオイ』は感覚的な要素が多いので、意識を根付かせる目的でチェックシートを店舗バックヤードに貼り出し、休憩後の歯ブラシや消臭スプレー、清涼菓子を口にするように心がけています」(同社・広報の町田吉瞳さん)

 そのほか、フロアスタッフ検定では試験問題にニオイに関する問題を導入。現在はメガネのレンズ加工時に出る独特なニオイを消す、独自の消臭剤を作ろうと検討している段階だという。

秋冬のニオイ市場も拡大中!
涼しい季節も商品が売れるワケ

 男性消費者の意識の変化がニオイ対策市場の拡大に寄与しているようだが、企業の取り組みを見ていくと、女性社員の存在が男性のニオイ対策に大きな影響を与えていることがわかる。女性の目も気になるなか、対策は汗ばむ季節にだけ行えばいいと思う人も少なくないだろうが、これからの秋・冬も対策の手は緩めない方がよさそうだ。

「冬の汗の方が濃くて臭い、と言われることもあり、実際は冬場でもこうしたニオイケア商品は順調に売れています。販促ボードなどを使うことで私たちがお客様の購買意欲を高めているのも一因だと思いますが、男性用に限らず女性用も、5年前と比べれば150%以上ニオイケア商品の売上は伸びています」(小副川さん)

 デリケートな問題として、なかなか表に出てくることのなかったニオイの問題。しかし、働く女性が職場に増え、問題が顕在化しやすくなったことで、対策に乗り出す企業も個人も増え始めた。企業が職場や社員のニオイ対策に取り組むことで社員の意識が高まり、対策法に関心が集まる。そして、ますますニオイ対策グッズを求める人が増え、市場は盛り上がる…。そんな循環が秋・冬以降も続いていきそうだ。

(ダイヤモンド・オンライン 林恭子)