企業説明会には社長自ら登壇して会社情報を発信
採用活動において、企業説明会は就活生と最初に出会う場です。何事も最初が肝心ですから、応募者に良い印象を与えられるようしっかり演出してください。
企業説明会を成功させるために、絶対に必要なことが1つあります。それは、社長の登場です。社長がわざわざ出席する必要はないと思うかもしれませんが、応募者の視点で考えてみてください。興味のある会社の社長から直に話が聞けるのと聞けないのとではインパクトが違います。経営者としての信念や、まだ形になっていない将来の事業計画を確信を持って語れるのは社長だけです。
特に中小企業の社長は自ら姿を見せてスピーチしたほうが、アピール効果が高くなります。なぜなら、中小企業の魅力は社長の魅力そのものだからです。そして良い人材は会社の成長力になります。
採用にかける時間は、将来への投資です。直接質問できる時間も用意すれば、応募者の疑問を解消できるので、満足度がさらに高まるでしょう。
注意したいのが、会社を紹介する際に、単に履歴書型の歴史年表を披露することです。まったく聞いている人の心には響きません。では、どうすれば就活生の心をつかめるのでしょうか。
人はストーリーに魅了されます。「うちの会社には、そんなドラマティックな話はない」というかもしれません。はたしてそうでしょうか? どの会社にも独自のストーリーがあります。応募者が知りたいのは、どういう会社で、どのような仕事をしてきて、そしてこれから進みたいと考えている方向についてです。それらを誠実に伝えていけばいいのです。
合同企業説明会は自社をアピールできる絶好の機会
採用活動は自社を売り込むという意味では営業のようなもの。知名度の低い中小企業や、個人の消費者には縁のない法人、企業間取引が主たるビジネスになっている企業にとっては、若い人の目に触れる企業PRの機会でもあります。最終的に、就活生を採用できなかったとしても将来の優良顧客になる可能性も十分あり、長い目で見ても費用対効果が高いといえます。
合同企業説明会の参加には、もう1つのメリットがあります。それは他社の動きがわかることです。たとえば、会場でのブースの作り方や、モニターを使ったプレゼンテーションなど、同業他社がどんな方法で応募者を集めているのか実際に見ることができます。出展企業同士で情報交換をしたり、他社のパンフレットを入手して参考にしてもいいでしょう。いろいろなアイデアが出てくるはずです。
弊社の支援先からも「うちと同じような会社はどんな採用活動をしているのか」とよく聞かれるのですが、採用のノウハウを学ぶという面でも現場から得られる収穫は大きいです。
ただし、実際の説明会の時期に関して注意点があります。それは、その合同企業説明会の開催が秋以降の場合、積極的な学生はすでに内定が決まって参加しなくなり、春や夏に開催した頃に比べて内向的な学生が多く見られる点です。
業界によって就活のスケジュールは若干違いますが、欲しい人材との出会いを真剣に求めるのであれば、就職活動のピーク前から、そういった説明会などに参加したほうがいいでしょう。