面接に向けてしっかり準備し、応募者を迎える

 採用面接では、しっかりと準備しておくことが大切です。ただ面接すればいいという考え方では、いい結果は期待できませんし、就活生の印象も最悪です。

 一番いけないのが、
「〇日の午後、時間空いてる? 面接に同席してくれないか」
「気になったことを聞いてくれればいいから」
「質問は特に決まってないから。やる気があるかどうかとか、適当に頼むよ」
というように、突然の面接官の依頼、そして採用したい人物像が漠然としているようなケース。依頼された社員も迷惑ですし、面接される側にとっても準備が整っていない面接では会社の印象が悪くなってしまいます。

 採用とは会社の成長のために必要な「投資」です。採用に失敗するということは、何億円ものプロジェクトが失敗するのと同じなのです。それを肝に銘じて、面接をすることが決まったら、まずは次の1~5の項目に沿って確認していきましょう。

1 面接官の決定
2 日程の決定と場所の確保
3 書類(応募者のリストとともに履歴書、職務経歴書、面接シートなどを準備)
4 会場設営
5 社内への告知

 面接官を担当する人については、基本的に一次面接=現場の若手・中堅社員、二次面接=現場の責任者クラス、課長、部長、最終面接=役員、社長で調整します。面接が2回で終了する場合は、2回とも社長が面接してもOK。面接官には、自社についての理解があり、会社と仕事の魅力を伝えられる人材を選定します。

 また、面接の精度を上げるためには、面接官が少なくとも2人は必要です。一人が質問をし、もう一人が聞き役と記録役を担当します。複数で対応することによって聞いてはいけない質問をしてしまったときに、もう一人がそれを止めてフォローすることもできます。お互いに話を振りながら、役目を交代しながらバランスよく質問してもいいでしょう。3対1になると圧迫感を与えますので、面接官の人数=応募者+1人が目安です。

 面接のときの座り方ですが、2対1の場合は、1人が面と向かい合うより、応募者を頂点に三角形を描いて座ると、応募者のガードが下がり、緊張感のない状態で情報を聞き出せます。

 面接会場については、面接官と応募者の距離が2メートル程度取れる部屋を用意します。集団面接の場合は、応募者の椅子の間隔は20センチ程度がベスト。応募者が荷物を置く棚やテーブルも設置しましょう。応募者の人数に応じて控室を準備し、ペットボトルなどのお茶を出す配慮も忘れずに。

 面接を実施する日時と場所が決定したら社内告知します。面接当日に会場を探す応募者を案内したり、挨拶をされても反応しやすくなります。応募者数が多い場合は、張り紙で会場への案内をしておくとわかりやすいです。緊張して来場する応募者にとって、当日の不安が少しでもほぐれるような環境を提供するように心がけましょう。