数ある企業の中から自社に興味をもってもらうための努力や工夫が必要です。ただ単に求人票で告知するだけでは就活生の心はつかめません。最終回では、募集の段階でおさえておきたい自社PRの効果的な方法を、就活生の目線から考えていきます。知名度の低い会社でも独自の採活メソッドで成功に導いてきた「採用のプロ」が教える、中小企業のための最強の人材採用マニュアル『低予算でも欲しい人材だけが来てくれる! 社長・人事・総務のための新しい採用活動の本』から抜粋し、再構成してご紹介します。(構成・文 佐藤祥子)

就活生のことは内定者に聞けばよくわかる!

 採用活動は、応募者と企業の求める人材像がうまくマッチングしてこそ成功します。より成功率を高くするために、就活生の視点に立って採用戦略を考えていきます。

 就活生のことは内定者に聞くのが一番です。そこで、直近の内定者や、入社したばかりの社員にアンケートを取り、本音を聞いてみましょう。

牧伸英(まき・のぶひで)
一般社団法人採用面接士協会理事、特定社会保険労務士、e-人事株式会社代表取締役、ぜぜ社労士事務所代表、一般社団法人日本歯科労務コンサルタント協会代表理事、滋賀県社会保険労務士会理事、同会湖西支部支部長、日本FP協会滋賀支部副支部長(2015.9現在)。大学を卒業後、営業職、経営コンサルタント、人事コンサルティング会社を経て独立開業。現在は、採用面接士®として、採用選考プロセスの設計、適性検査の導入、オリジナル採用基準の構築支援、面接官の育成、採用面接への同席&採否の助言、内定者フォローまで展開しており、支援先企業は約400社。高校生・大学生への就活支援も手掛けており、支援実績は延べ3000人以上。
ホームページ http://www.e-jinjibu.jp
メールマガジン https://55auto.biz/e-jinji/touroku/entryform6.htm

 アンケートでは、次のような質問をすると改善すべき点が見えてきます。

・当社を何で知りましたか?
・応募前に一番悩んだことは?
・一次、二次の面接官の印象は?
・内定を承諾した理由は?
・他社を断ってまで当社へ入社した理由は?
・当社応募時の、他社の応募状況について
・応募前に教えてほしかったこと
・就職活動中に不安だったこと
・内定後の不安点 など

 たとえば、応募前に一番悩んだことが「転勤の多さ」であったなら、転勤先の職場環境や転勤者のコメント、さまざまなサポート体制など、転勤に関する情報量を増やして不安を軽減することができるでしょう。

 また、他社に比べて「キャリアアップ」についての情報が少ないようなら、モデルとなる社員の活躍ぶりを大きく紹介すればイメージがわきやすくなります。アンケートの回答に、面接のときに「目つきが怖かった」といった印象に関する記述を見つけたら、面接官は自分の表情に気をつけて接するようにして、相手に威圧感や不安を与えない工夫を心がければいいのです。

 このように、応募者目線から採用側が気づかない改善ポイントを探り、採用活動をどんどんブラッシュアップしていきましょう!