Q.総務省が携帯電話の通信料金の値下げに関する議論を開始しました。政府は値下げの妙案はあるのでしょうか。また、堀江さんは携帯の通信料金やその他サービス料金に関して高いとお考えですか。

総務省はどこまで本気で、どこまでポーズなのか
利権を手放してまで競争させる気があるのかなぁ

A.日本の場合、携帯電話は大手3キャリアの寡占状態になっています。そのため3社のシェアが均衡してくるにつれて、3社はそれ以前に比べて激しい競争を繰り広げなくなります。

 シェア最下位だったソフトバンクも、首位のNTTドコモとの差が縮まるにつれて、あまり値下げをしなくなりました。これはある面、当たり前です。

 新規参入がない、つまり後から追ってくる者がいないために、収益がある程度安定する。収益が安定してきたことで、今度は一歩進んで獲得した余剰利益を米国事業につぎ込む。そうした流れでソフトバンクは米国で携帯会社第3位のスプリント社を買収した。

 つまり、日本で料金を値下げして、競争を激しくするよりも、余剰資金を得て海外に打って出た方が事業が拡大できるわけですね。

 したがって、もし国内の通信料金を引下げようと考えるのであれば、ます大手3社の次の会社がどんどん新規参入して競争が進むように、制度自体を改革する必要があります。

 そのためには、例えばMVMO(仮想移動体通信事業者)に対して回線の貸出しを行う業者に対して何らかの優先条件を付して周波数の割当てのオークションを行うなどの方法が考えられます。

 これまでは、電波の利用を希望する民間企業に電波の周波数帯を割り当てる際の総務省が選定基準が不透明で、これがいわゆる電波割当利権の温床とも言われてきました、周波数オークションは、そうした利権をなくすための格好の手段でもあります。

 しかし、現在の電波業界は、政府・総務省と携帯キャリアが持ちつ持たれつのムラ社会の寡占状態を維持したままです。そんな総務省主導による料金値下げプランに、どの程度の実効性が期待できるのか。不透明ですね。

Q.8月にデンマークで行われたアイアンマンレース(トライアスロン)に出場され、“しくじり“とはならず、見事に完走されました。ゴールは遠い先に見えていても、そこまでの道筋が途方もない、仕事においてそのような状況に直面したとき、堀江さんは何を考えて進むのでしょうか。また、そのための哲学はお持ちですか。

身構えずに細やかな幸せを楽しむくらいに気持ちで十分
もともとはダイエットの延長戦で始めたことだし

A.哲学なんで、そんな超くだらないことは考えていません。

 そもそもアイアンマンレースは、ダイエットの一環として始めたトライアスロンの延長線上です。これに出場することも、もとを辿れば友人との飲み会の席での勢いで決めただけです。

 たから、ゴールまで途方もない道筋であるといった大仰なとこは基本的に考えていません。ただ、ダイエットしながら、今を一生懸命に生きるだけです。

 スイム、バイク(自転車)、マラソンのうち、スイムに関しては、実は身体に負担がほとんどかからないものなので、ある程度ゆったりとしたスピードであれば、何キロメートルでも泳げるものです。

 バイクはやや無理な姿勢で続くため、腰や首に負担がかかりますが、走っているときは、他の選手と抜きつ抜かれつしながら、沿道の方々の声援を受けたりして、結構楽しく走ることができました。

 このように、特に競技中はとにかく身近なところ目標や楽しみを置きながら続けるといいですね。

 バイクであれば、10~20キロメートルごとに補給の施設(エイドステーション)があるのですが、そこでのドリンクの補給をけっこいう楽しみにしていました。最後のフルマラソンも1~2キロごとにあるエイドステーションで、コーラやレッドブルを飲むことを楽しみにしていました。

 その程度のことですが、目標に辿りつくためにた、あまり大げさに考えずに、そうした身近な小さなことを目標にするとメリハリがついて、チカラが沸いてきました。