とはいえ、根本的なイライラやストレスは解消されないままだ。お互いに仕事が忙しく、なんとか話し合いの場を設けても、家事分担は上手くいかず、女性側に負担が多くのしかかる。そのうち子どもがほしいと願うAさんだが、この状況では不安を感じずにはいられない。次は子どもを持つ家庭のバトルを覗いてみたい。

妻が突然「実家に帰ります」
求めていたのは1人になれる時間

 2組目のBさん(男性/20代後半/金融関連/子ども1人)は、「今年1月頃から夫婦関係が劇的に悪化した」と振り返る。妻はテレワーカーで、託児機能付きのシェアオフィスで働く。Bさんは約2年前にメーカーから金融業界へ転職し、「昨年は盆正月以外、ずっと仕事をしていると言っても過言ではないくらい、ワーカホリックな1年を過ごしていました」と苦笑する。

 前職の頃は早く帰宅できる日も多く、家事・育児に貢献できていた。しかし、直近2年は平日朝6時に家を出て、帰宅すると日付はとっくに変わっている――このスケジュールが常態化した。平日月~金曜日まで仕事関係の集まりに参加し、起きている妻や子どもと会えないこと、何ひとつとして家事をやっていないことが、Bさんにとって罪悪感だった。

「僕自身はストイックな働き方に満足していました。一方で、妻は世帯収入は増えたものの、僕が家族との時間をつくれていないことに、腹の底では不満を抱えていたのだと、後になって知りました。毎晩なかなか帰らず、家のことは完全にノータッチな夫に対し、不信感を募らせるのも当然ですよね」(Bさん)

 ある日突然、Bさんは妻から「実家に帰ります」と冷ややかに宣言された。慌てて理由を聞くと、友人の結婚式が地元で2件、2週おきにあるため、そのまま実家に滞在するという。テレワークゆえ、パソコンとネット環境があれば、実家でも仕事はできることから、何ひとつ不自由はなかったようだ。妻が不機嫌な顔で東京に戻ってきたのは、約1ヵ月後のこと。妻は開口一番「あなたに言いたいことが溜まっている」と怒り口調で告げた。

 妻がBさんに対して出した要望や改善点は、「土日のどちらか1日は仕事を休んでほしい」「家族との時間をつくってほしい」「土日のどちらか数時間で良いので、完全に1人きりで過ごせる時間をつくってほしい」というものだった。

「妻が一番苦しんでいたのは、家事の分担以上に『1人の時間を作れないこと』だったのだと気づきました。ママ友との付き合いや買い物、美容院などに行って、羽根を伸ばす時間を持たせてあげられなかった。そこで、毎週土曜の朝~昼過ぎくらいまでは、僕が子どもと2人で過ごす習慣をつくり、今も継続しています」

>>後編『家事や育児はどちらがやるべき!? 他人事ではない共働き夫婦の大論争(下)』に続きます。

>>『家事や育児はどちらがやるべき!? 他人事ではない共働き夫婦の大論争(下)』に続く