「ついで買い」が増える効果も
ライバルであるローソンの戦略は?

 その点で、24時間いつでも都合のいい時に立ち寄れるコンビニでの受け取りは、消費者とって高い利用価値があるということなのだろう。

 セブン-イレブンの加盟店オーナーにとってもメリットは小さくない。オムニセブンで注文した商品を受け取りに来た人の6割が、荷物の受け取りだけでなく、店頭商品を購入していくからだ。加えて、オムニセブンの始動に伴い、セブンネットショッピングで注文された書籍などの売上げは、受け取り店舗に計上されるようになった。また、ヨーカ堂やそごう・西武のネット通販商品を店頭で受け渡しした場合も、手数料収入が入ってくるのである。

 一方、ライバルであるローソンの戦略は、セブンのそれとは少し異なる。ローソンは全国約1万2000店舗とそれを結ぶ配送網を一つのプラットフォームとして他社に開放し、そこに新たな商品やサービスを付加することで店舗の利用価値を高めようとしているのだ。

 ローソンでは以前からアマゾンで購入した商品の受け取りが可能だったが、今年9月からは「楽天市場」の購入商品も受け取れるようになった。ローソンの野辺一也執行役員ホームコンビニエンス事業本部長によれば、「アマゾンや楽天の店頭受け取り利用率は確実に上がっている」という。

 さらに今春提携したSGホールディングス傘下の佐川急便と共同で、6月から新サービス「マチの暮らしサポート」を一部店舗で実験的に始めた。これは、佐川急便の宅配便荷物をローソン店頭で受け取れるだけでなく、周囲500メートル圏内なら自宅まで届けてくれるというもの。また、電話やネットで注文すればローソン店頭で販売している飲料やコメから弁当・惣菜、カウンターフードのおでんまで、約2800品目の中から必要なものを届けてくれる。購入金額が税込み700円以上なら配送料は無料だ。

 ローソンは、生鮮食品から日用品、医薬品まで約1万4000品目を取り扱うネットスーパー事業「ローソンフレッシュ」も展開しており、30万人以上の会員を持つ。マチの暮らしサポートの利用者からは、「ローソンの店頭にはない商品も一緒に注文したいという声が多い」(野辺執行役員)とのことで、来春頃をめどにローソンフレッシュで注文した商品もローソン店頭で受け取ったり、店頭商品と一緒に届けたりできるようにする計画だ。マチの暮らしサポート実施店舗については、今後3年で3000店舗への拡大を目指す。

「商品の選択も、注文も、支払いも、そして受け取りも今、ここで済ませたいというイマココ消費のニーズが高まっている」とフロンティア・マネジメントの松本氏。業界3番手のファミリーマートも10月中旬から、アマゾンで注文した商品をその日のうちに店頭で受け取ることができるサービスを始めた。

 コンビニを起点としたイマココ消費を巡るラストワンミニットの覇権争いは、異業種を巻き込みながらますます過熱していきそうだ。