2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会開幕(6月11日)が、あと3週間あまりに迫った。

 しかし今のところ日本では、盛り上がりがほとんど感じられない。代表メンバーが発表された10日には放送各局が大々的に取り上げ、サッカー解説者がメンバー構成の論評や展望を語ったが、世間は「笛吹けども踊らず」といった反応。選考メンバーに対する賛同や批判が沸き上がることもなく、冷めた状態のままである。

 日本代表がW杯に出場するのは4大会連続4回目だが、過去3回はこんな空気ではなかった。初出場の98年フランス大会の時は多くの人が開幕を指折り数え、日本選手がW杯本大会のピッチに立つ姿を見ただけで感激したものだ。02年日韓共催大会も、06年ドイツ大会も開幕が近づくに従って人々のボルテージは上がっていった。それに比べると今回は信じられないほど静かだ。

 もっともサッカーファンは、W杯をとても楽しみにしている。だが、その興味は日本代表に対するものではなく、予選のグループリーグ(AからHまで8組ある)を勝ち抜くのはどこか、そして決勝トーナメントを勝ち上がり優勝する国はどこかであり、大会の顔になるであろうスターたち、リオネル・メッシ(アルゼンチン)、クリスチアーノ・ロナウド(ポルトガル)、カカ(ブラジル)、ウェイン・ルーニー(イングランド)らは、どんなプレーを見せてくれるかだ。

 日本代表のことしか興味がない人は少なくなり、サッカーそのもの、あるいはW杯の国別対抗戦に面白さを見出している人が残ったという印象だ。

世界のトップ選手の多くが
影響を受けた「キャプテン翼」

 ところで大会を前にして興味深いアンケートが行われた。ライフネット生命保険(株)が行った「FIFAワールドカップとキャプテン翼に関する意識調査」である。
http://www.lifenet-seimei.co.jp/newsrelease/2010/2534.html

 アンケートの対象は20歳から39歳までの男性1000人。該当する人を抽出し、携帯電話を通して調査を行ったという。

 このアンケートの着眼点の面白さは、タイトルでも解る通り「W杯」に「キャプテン翼」を絡めたところだ。「キャプテン翼」は日本だけでなく世界的にも高い人気を誇るサッカーマンガでありアニメ(高橋陽一氏作)。多くの少年たちにサッカーの面白さを伝えてきた。実際、今回代表に選出された川口能活はキャプテン翼の大ファンだし、Jリーグ選手の多くがこの漫画やアニメの影響を受けているといわれる。