世界経済の回復力は鈍い
特に新興国には下振れリスク
11月、みずほ総合研究所は四半期毎に改訂している『内外経済見通し』を発表した。図表1がその世界経済予測総括表だ。
2015年の基本シナリオは、新興国の減速が続く中、先進国が中心の回復となり、米国一国に期待が集中する米国機関車論であった。2015年を振り返れば、先進国、特に日本の回復力は期待外れだった。日本は、7~9月期のGDP(1次速報)が年率▲0.8%と2四半期連続のマイナスとなり、アベノミクス始まって以来の逆風状態にある。
今回も2015年の見通しは、前回(8月)見通し、さらに5月見通しに続き、全般的に下方修正を行った。中でも、日本は▲0.4%Ptと大幅な下方修正となった。新興国は予想通りの減速が続いたが、我々が注目したのは、世界経済の長期にわたるバランスシート調整の第3局面としての、新興国問題である。
2016年を展望し、先進国は緩やかな改善を見込むが、新興国は下振れリスクを内包する局面にあるとした。
◆図表1:みずほ総合研究所の世界経済予測総括表(2015年11月)
(資料)IMF、みずほ総合研究所
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