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マンション居住者であれば誰もが経験する可能性のある「管理組合役員」。しかし多くの住民にとっては厄介な代物であるのも確かだ。突然役員をやることになったらどうすればいいのか。連載『マンション羅針盤』の第8回では、三つのマンションで理事長を含む管理組合理事を務めたがすたま氏が初心者向けに指南する。(がすたま)
突然届く次期役員候補通知――。
それはマンションを買って忘れた頃にやって来る“赤紙”
「あなた、管理組合から封筒が入ってたわよ」
忙しい一日の終わりに妻から手渡された封筒を開くと、そこには「あなたは次期役員候補に選ばれました」の一文。おそらく、初めて役員選任の通知を受けたときに多くの方が同じ疑問を抱くはずです。「これって断れないの?」と。
子育てと共働きで時間に余裕がない、健康上の理由で外出することが難しい、近所付き合いが得意ではない。現代のマンション生活では、こうした事情を抱える世帯が珍しくありません。
なお、私自身は複数のマンションで理事長や要職を務めてきた経験がありますが、子育てが始まってからは役員活動の優先順位を見直す場面も増え、辞退したくなる気持ちはよく分かります。
そもそもマンション管理組合の役員は辞退できるのでしょうか。「管理組合の強制加入っておかしくない?」と思う方も多いかもしれません。
結論から言うと、諦めてもらうしかありません。マンションを購入すると、区分所有者として管理組合の一員となります。これはマンション個別のルールではなく、区分所有法という法律に基づいた義務であり、加入を拒否したり管理組合から抜けたりすることはできないのです。
よく混同されるのですが、マンションによってはマンションの管理運営を担う管理組合の他に、マンション内のコミュニティー形成を担う自治会があるケースがあります。実はこちらの自治会に関しては加入は任意となっているのです。しかし、管理組合に関してはそうではありません。
管理組合役員になると、少なからず自分のプライベートにも影響が出てきます。いままで役員経験も、ましてやマンション管理について興味もない方が突然このような「赤紙」を受け取って困惑することも多いでしょう。本稿ではこうした、「初めて役員への就任要請を受けてしまった」方に、その対応方法を皆さんが抱く素朴な疑問点ごとに、一問一答形式で丁寧にお伝えしていこうと思います。役員就任はそもそも拒否できるのか、子育てや介護をしていても免除してもらえないのか。就任した後に理事会への参加を「バックレる」ことはできるのか。そして就任要請を受け取ったらすぐにやるべきことなど含めて解説していきます。早速見ていきましょう。







