さとう・ちえ
1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。報道番組や音楽番組のディレクターとして7年間勤務した後、2000年退局。 2001年米コロンビア大学経営大学院卒業(MBA)。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年、作家/コンサルタント として独立。2004年よりコロンビア大学経営大学院の入学面接官。近年はテレビ番組のコメンテーターも務めている。主な著書に『世界最高MBAの授業』(東洋経済新報社)、『世界のエリートの「失敗力」』(PHPビジネス新書)、『ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか』(日経BP社)。
佐藤智恵オフィシャルサイト

佐藤 歴史を学ぶというのは野球の練習をするのと同じ、というのは面白いたとえですね。バッティング練習と同じように、リーダーも決断を下す練習をしておくことが大切だということですね。

モス それだけではありません。歴史は良きガイドにもなります。「今後、どんな出来事が起こる可能性があるのか」と将来を予測するのにも役に立つのです。

 たとえば、リーマンショックが起こる2年前の2006年ごろのことです。私は、エコノミストたちとのミーティングで、「今後金融危機が起こった場合にどうすべきか、対策を考えておいたほうがいいですよ」と繰り返し助言していました。歴史的に見れば、将来、危機が起こってもおかしくないと思ったからです。ところがエコノミストたちは本気にせず、笑いながら「モス教授、あなたは歴史にこだわりすぎだ!」と言うばかりでした。彼らは「金融危機なんか起こるはずがない」と思っていたのです。実際、アメリカは長い間、金融危機を経験していませんでしたから、そう考えるのも無理がないことでした。

 しかし、長い歴史を振り返ってみれば、アメリカでは金融危機が繰り返し起こっていることが分かります。数十年間に1回起こる可能性があるのであれば、今後も起こりうる、と考えて、前もって備えておいたほうがよいのです。

>>続編『江戸時代、日本は金融立国だった!再評価される世界初の先物市場“堂島米市場”』は12月2日(水)公開予定です。

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