ただ現実を眺めると、手戻りの多いムダな議論を延々としている現状があるのも確かです。「多くの人が関わって相談するんだから、時間がかかってもしょうがない」と言う声もあるのですが、本当にそうなのか? と。正味作業とは言えない部分が、とりわけトヨタのスタッフ部門、ホワイトカラーには、まだまだあるように思えるわけです。

――どこかでロスが発生していると。

 そういうものを限りなくなくしていけば、100人が協力してやる仕事であっても、全員がロスなく1秒で決断してくれればたったの100秒ですよね。つまり2分以下で結論が出るわけです。ところが100人が集まると、1年も2年もかかることがある。これは一体どういうことなんだ? と。

 スタッフ業務の仕事のプロセス・工程というのは、1つ1つの意思決定の積み重ねだと思うんです。右にいくか左にいくか。足し算するのか引き算するのか。赤にするのか青にするのか、全て頭の中で判断するわけですよね。こういう1つ1つの意思決定ですから、もっと効率よく、速くできるはずです。

 各部門の意思決定の工程を効率化していくことによって、ある程度のスピード感を確保する。そうすれば、トヨタなりの全員参加スタイルであっても、スピード感を持って仕事が達成できるんじゃないかと今は考えています。

――他の企業であっても、多分に取り入れられる考え方ですよね。

 特に若い人たちに伝えたいのは、一生懸命やっているのに成果が出ない、達成感がないというときには、「原因はあなたにはない」ということです。なぜなら、JKKの考え方が仕事の仕組みに組み込まれていれば、必ず努力は報われるはずだからです。

 努力が報われなかったなら、自分がやった仕事をJKKの考え方で分析してみてください。どこかおかしいところがあるはずです。そこが分かれば、身近な仲間たちに伝えてもいいし、良い上司だったら理路整然と進言する。JKKは、そういう道が拓ける1つのツールになるんじゃないかなと思います。

 結果がでなくても自分を責めるのではなく、JKKの考え方を身につけることで、企業で働く1人1人のビジネスパーソンにもっと勇気を持ってほしいですね。