そのほかにも、日本は、世界とは違った“衛星”の視点に立つロケットの改良を進めている。

欧米とはひと味違う新機軸
“衛星にやさしい”ロケット

 三菱重工業は8月28日、「H-IIA」ロケットの改良型を公開した。2段目ロケットに改良が加えられ、ロケットの飛行時間を延ばし、静止軌道近くまで衛星を輸送することを可能にする。これにより、衛星に搭載している燃料の消費を抑え、その寿命を延ばすことに一役買える“衛星にやさしい”施策を打ち出した。

第1回でも紹介したが、これはカナダのテレサット(Telesat)社の通信放送衛星「Telstar 12 VANTAGE」を搭載したH-IIA29号機で活用され、11月24日、無事打ち上げに成功した。

H-IIAロケット改良型(29号機)(左)と11月24日の打ち上げの様子(右)
出所:JAXA
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 H-IIAの改良やH3ロケットなどで見られる新しいアイデアと、H-IIA、H-IIBの有する信頼性(高い打上げ成功率)、さらにロケットや地上設備の不具合による打上げ延期の確率が少ないことなどは、日本の大きな強みと言える。

 このような老舗企業だけでなく、ベンチャーでも“日本らしさ”を持つ施策を進める企業が存在する。

スポンサーを得て月面探査レースに参戦!
ユニークな宇宙ベンチャー企業の登場

 ベンチャー企業ispace社率いる「HAKUTO」は、民間組織による月面無人探査を競う賞金総額3000万ドルの国際レース「Google Lunar XPRIZE」(XPRIZE財団主催)に出場する日本チームである。

 2016年後半には、HAKUTOチームの月面探査ローバー(写真参照)が米国から打ち上げられる予定だ。

HAKUTOの月面探査ローバー
出所:ispace