伸びない人が陥りがちな「コロンブスの卵」症候群

この勘違いというのは本当に根が深い。人類はずっとこれを繰り返しているんだと思います。ですから「コロンブスの卵」っていう有名な言葉があったりする。

どういうエピソードなのか、知ってますか? もちろんこれは「誰でもできそうなことでも、最初にやってのけるのは難しい」という意味なんですけど、この言葉の元になったそもそものエピソードです。

あのコロンブスがアメリカ大陸、というか西インド諸島をですね、発見したときの祝賀会の話なんです。祝賀会なんでいろいろなご馳走だけじゃなく、お酒も出ていたりしたんでしょうね。酔ったライバルの船乗りたちが悪態をつき始めたわけですよ。

「コロンブスがすごいって言ったって、あいつは船をどんどん西に向かわせただけだろ? そうすればそのうちどっかの大陸なりにぶつかるなんて、誰でもわかるよな」とかいうふうにね。

しかも、コロンブスにはイザベラさんっていうスポンサーがついていた。だからライバルの連中はこんなことも言ったそうです。

「要するにあいつがやったのは誰でもできることなんだよ。スポンサーがついているコロンブスと違って、オレたちには十分な資金がなかったからできなかっただけ。あいつは運がよかったんだよ」と。

まあ、負け犬の遠吠えですから聞き流したらいいんでしょうけど、コロンブスも酔っ払ってたんでしょうかね。テーブルの上に出ていたご馳走から、ゆで卵を1個つまみあげて、「そんなに言うなら、お前らのうちの誰か、ここにある卵を立ててみろよ」と、こう言ったわけです。

酔っ払い連中がやってみるわけですが、どうにもうまく立てることはできない。そこでコロンブスが何をしたのかっていうのはあまりに有名な話ですけど、卵のお尻のところをちょっとだけ割って、ポンとテーブルの上に立てて見せたわけです。

すると、ライバルたちはまた文句を垂れだした。
「おいおい、こうすれば卵が立つなんてことは、オレたちにもわかってたんだよ。こんなことでいいなら、誰だってできるじゃねえか! たまたま思いつかなかっただけだ。調子にのるな!」

コロンブスはそこで「航海の話も、卵の話も同じことだ。お前ら、一生そう言っとけ!」と毒づいたという話です。要するに「オレは天才だ。お前ら凡人と一緒にするな」ということなんですけどね。

で、ここから僕が何を言いたいのかというと……

(いよいよ最終回。
「考える」ために実践するべき「たった1つのこと」とは?)
[第4回に続く 次は12/18(金)配信予定]