「『これまでいかに自分が何も考えていなかったか』を痛感しました」——去る10月26日に開催され、大好評を博した津田久資氏『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか』スペシャル著者セミナー。
即座に100名を超える参加希望者が殺到し、当日には熱気あふれる満席の会場から活発な質問が飛び交った。
好評につき、バージョンアップ版の「追加開催」が決定した同セミナー(詳細は本記事末尾を参照)に先駆けて、前回行われたセミナーの様子を少しだけご紹介していこう(第3回/全4回)。
[連載]思考力を高める教室(全4回)
・第1回 ▶▶▶ ハーバードMBAはなぜ「講義をやらない」のか?
・第3回 ▶▶▶ (今回)
・第4回 ▶▶▶ 君は「ヒリヒリするような悔しさ」を本当に知っているか?
(12/18 fri配信予定)
「アイデアの質」は3つの要素で決まる
次に問題になるのが、「アイデアの広さ」というのは何をもって決まるか、ですね。
1つは「頭の中にインプットされている情報量」、これです。どれくらい多様な知識を持っているかということですね。
2番目は「その情報の加工率」です。これは、ピンときますか?
(会場)どれくらい深く理解しているか、ということ?でしょうか。
う~ん、「近い」気がしますが、どうでしょうか。つまり、アイデアっていうのはインプットされた知識をそのまま吐き出すことではないんです。これだけでは言ってみれば暗記試験みたいなものです。
そうではなくて「アイデア」というのは、自分の頭の中で情報を有機的に加工してから引き出しているわけですよね。その割合のことを「加工率」と呼んでいます。
で、3つめ、そしてここが非常に大事なんですけれども、これが「発想率」です。
つまり、情報を加工しただけの状態では、まだアイデアは頭の中に潜在的にあるにすぎない。これを頭の中にとどめずに、いかに引き出すことができるかっていうのが「発想率」であって、ここがいちばん重要なポイントになると思っています。
つまり、何かすばらしい商品が出てきたとしますよね。そういうときに、僕たちには2通りの反応があると思います。1つは「いやー、こんなこと考えたこともなかった」というアイデア。もう1つは「なるほどね、確かにこういうのってありだよね」というアイデア。
前者はそもそも潜在的にすらアイデアが頭の中になかったときの反応なのに対し、後者というのは潜在的には頭の中にアイデアが眠っていた(でもあなたは引き出せなかった!)ときの反応です。