サ高住が主役に躍り出る

 政府が12月21日に組んだ2015年度の補正予算には、この緊急対策が反映された。その中で、サ高住の追加供給を促す大幅な制度拡充策を盛り込み、189億円の巨費投入が決まった。相当の意気込みようだ。

 助成金の投入法を4種に分け、その一つが「拠点型サ高住」。小規模型かショートステイを併設したサ高住で、施設補助金を従来の1000万円から1200万円に引き上げることとした。

 このほか、標準型の25平方メートルより広い30平方メートル以上で浴室やキッチン付きを「夫婦型サ高住」として、1室当たりの補助金を100万円から135万円にアップさせたり、既存建物を活用する際に建築基準法や消防法等に適合させるための改修が必要な「既存ストック型サ高住」にも100万円から150万円に補助金を増額する。

 さらに、驚くことに上記以外の普通のサ高住への助成金も1室100万円から120万円に増やす。

 本年度の事業なので補助金の募集期間は3月25日までだが、サ高住の建設・運営を検討している事業者は同日までの駆け込みに一斉に走ることは間違いないだろう。かつてない補助金の大盤振る舞いだからだ。

 2011年10月から始まったサ高住制度の年間補助金はほぼ320億円前後だった。2015年度も320億円。年間を通じて320億円の事業なのに、12月21日からのわずか3ヵ月で189億円も上乗せされる。補正予算としては破格の規模である。来年度に建築予定だった事業者たちが急遽、計画を前倒しして期間内に申請しようと目論むのは当然の動きだ。

 政府は12月24日に2016年度の予算案をまとめたが、そこでもサ高住の助成金として320億円を計上した。サ高住が20万室近くに広がっており、「立ち上げカンフル剤」としての助成金の役目は終わったとする声が出ていた。しかし、これまでとほぼ同額の予算を組んで、さらなる後押しを進めることとした。

 こうした政府の方針を見て、新規に参入してくる企業が広がっていきそうだ。これまでの居住系施設である特養やグループホーム、特定施設の有料老人ホームなどの従来型施設に変わって、サ高住がその主役に躍り出る日が近づいて来たことは確かだ。