中国、中東、原油安…
年初から想定外の大幅安
東京株式市場が年初から想定外ともいえる大幅安を記録した。今年は年初から6日続落で、これは日経平均株価が算出されるようになった1950年9月以来初めてのこと。
従来の記録は1995年の大発会から4連敗だった。15年末の日経平均は1万9033円だったが、14日には一時1万6944円と8日で2089円(11%)も下げた格好だ。欧米中など主要国の株価も軒並み安でのスタートとなった。
この背景としては、昨年末から住宅などの米国経済指標がさえなかったところに、年初から中国株式の急落、サウジアラビアの外交断絶による中東での緊張の高まり、諸条件による円高の進行に、下げ止まらない原油価格など、悪材料が折り重なったことが要因。
円高は日本企業の業績先行き不安にもつながっている。米国では今年に入ってISM製造業景況指数や自動車販売の鈍化なども明らかになった。
中国では株式にサーキットブレーカー(CB、乱高下時の売買一時停止)制度を1月4日に導入したが、2度目のSB発動で現物株取引が終日停止になることで、売りそびれるリスクを警戒した投資家の投げ売りが下げを加速した面もある。本来は売買の一時停止で「投資家の頭を冷やす」ことが目的の制度が、不備により、売りを急がせる格好になった。当局はSB制度を8日からに中断した。
また、一連の混乱の底流には、昨年12月に米国が利上げを行ったことで、新興国からの資金流出傾向もリスク要因として捉えられている。
原油価格安は日本にとっては、化学製品などについて原料価格安としてメリットが大きいが、産油国の財政悪化、ハイイールド債(リスクは高いが利回りの高い債券)の価格下落などで、金融面からの不安要因となっている。