資産インフレが続く
米国の不動産に投資するメリット

 ただ、日本では築22年を超えるこれに適した木造アパートは少ないのが難点だ。そこで、手取りを増やすには、国外の不動産を投資対象とする手もある。ここからは、国外への不動産投資について述べていこう。

 たとえば米国不動産は、長期的に資産インフレの状態にある。全米の賃料はこの20年間で1.7倍になり、取引価格は2倍になっている。人口が増加するところで不動産価格は上がるし、賃料に比例して不動産価格は変化する。米国は出生率が高いことと移民を多く受け入れているので、不動産価格が安定的に上がる。また、賃料と不動産価格は連動するので、これが安定的にインフレしていることは正常な成長軌道にあると言える。このように、海外の4年償却の不動産は比較的価格が安定していて、リスクが少ないということができる。ネットの利回りも5%程で、値上がり益も期待できる。下落傾向にある日本の不動産を持っているよりも、人口が増加傾向が見込める海外に資産を移転して、資産インフレに乗ったほうが得策というわけだ。

 これに関してよく出る質問が、「築何十年も経った木造アパートなんてボロアパートなのではないか?」というものだ。しかし、日本と米国では市場構造がそもそも違う。両国を比較すると、日本では不動産取引は新築中心の市場だが、米国では8割以上が中古取引であり、新築はあまり建設されていない。投資案件の平均築年数が、すでに40年を超えているのだ。

 特に、サブプライム問題以降、持ち家取得のハードルが上がったこともあり、賃貸層が増え、新築が減ったことで、全米の平均の空室率は7%と過去20年間で最低となっている。ちなみに日本の全国平均は18%だ。市場が変われば、投資スタイルも変わるのである。

 たとえば、日本は建物をリフォームしても賃料を上げるのは難しいが、米国だと1000万円をかけてリノベーションすれば、賃料アップと稼働率の改善で1000万円以上のバリューアップをすることが可能だ。つまり米国で不動産投資をしている人は、「不動産を購入→バリューアップさせる→賃料の上昇→購入価格以上で売却」という手法に長けている人が多く、それを評価する土壌があるという点で、日本とは大きく異なる。

 ただ、市場が違えば様々なことが違うリスクも心得ておく必要がある。市場取引における慣習だけでも、エスクロー、インスペクション、タイトルインシュアランス、ノンリコースローン、カウンターオファーなど、日本では聞きなれない言葉がたくさん出てくる。これ以外にも、口座開設・送金・納税者番号の取得といった各種手続きや、海外を含めた税務知識やリビングトラスト・プロベイトといった相続の事前の対処も、万が一のために必要となる。