リーダーのビジョンは
「マニュアル」を超える
同社では、実際の生産現場を見学した社員が、アルバイトの方々に現場を疑似体験させる研修を行っています。
もちろんこれは、「一次産業の方々の現状を知り、何ができるか考えてほしい」という米山さんの思いをメンバーに伝えるためです。
たとえば、養鶏場で生まれたかわいらしいヒヨコが次第に成長して鶏になり、屠殺されて解体される―そんな過程をすべて見てもらうといいます。
ショックを受けるスタッフもいるそうですが、鶏たちの命を自分たちがいただいていること、そして鶏を精魂込めて育ててくれている養鶏農家の方々の仕事ぶりを知ることで、スタッフたちは大切な気づきを得ます。
生産・流通・販売までのプロセスをしっかりと認識した途端、社員やアルバイトたちは、こう考えるようになります。「生産者の方々の努力や鶏の命を無駄にしたくない」
「それには、お客様に全部残さずおいしく食べてもらわないと……」
もちろんエー・ピーカンパニーの居酒屋にも最低限のマニュアルは存在するでしょう。しかし、より深いところで、社員やアルバイトたちを突き動かしているのは、リーダーが伝えたビジョンなのです。