生き方とビジョンを一致させる
―起業家の場合
まずは、起業家のビジョンです。
「レストランひらまつ」をはじめとした多数のレストランを展開する株式会社ひらまつ(本社 東京都)の代表取締役社長・平松博利さんは、いまも厨房に立つシェフでありながら、ミシュランの星を持つレストランを数多く経営するリーダーでもあります。
その平松さんが大切にしているのが、「いま目の前にいる人を幸せにすること」。これを社員たちは「ひらまつイズム」と呼んでいます。
1982年に奥様と2人でレストランを開業して以来、平松さんは「いま目の前にいる人を幸せにすること」を大切にしてきました。それは、料理を食べにきてくださったお客様だったり、一緒にレストランを切り盛りしてくれている奥様だったり、一緒に働くことになった従業員だったり……。
とにかく、いま目の前にいる人を幸せにすることをいつも考え続けていたら、700名以上の社員を抱える大企業に成長していたのだと、平松さんは言います。
平松さんは、ビジョンを「語る」だけでなく、それを自ら「実践」し続けているリーダーです。「いま目の前にいる人を幸せにする」というのは、頭で考えて出てきたものではなく、ご自身の「生き方」そのものなのです。
ですから、社員1人ひとりをいつもよく見て、それぞれの健康管理から、どんな声かけを必要としているのかに至るまで、つねに心と時間を使って考え続けています。