リーダーはメンバーの壁になる
ただ、相手の時間をいただき、経験や知恵を借りるのですから、それなりの心がけは必要です。私が誰かに相談するときに気をつけているのは、いただいた助言を絶対に否定しないということです。
「なるほど」「そうですよね」「やってみます」など、何らかのかたちで相手の助言を受け入れるのです。相手の話に100%同意できないとしても、そこには必ず学びになることがあるものです。それを逃さず、絶対に何かを拾い上げようとする貪欲さが欠かせません。
逆に、メンバーから相談されるというケースもあるでしょう。
そんなときも、真摯に相手の話を聞くようにしましょう。リーダー自身がメンバーにとっての「壁打ちの壁」になるのです。人は誰しも自分のなかに答えを持っていますから、それを自らの力で見つけてもらうのが「壁」の役割です。
話を聞きながら何か気づいたことがあっても、ギリギリまで指摘しないようにし、とにかく最後まで話を聞くようにします。
そうすることで、メンバーが自ずと自分の答えと出会うことになるのを「待つ」のです。
相談内容に耳を傾けているうちに、リーダーであるあなた自身の体験とも重なり合うところが見つかり、自分の課題とも向き合うきっかけになるかもしれません。
相談は、互いを成長させるすばらしいコミュニケーションの1つです。
(第12回へつづく・2月22日公開予定)