「ドライバー(1番ウッド)とスプーン(3番ウッド)の飛距離があまり変わらない」「当たればスプーンのほうが飛ぶ」という人が少なからずいます。なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか。
その原因の1つは、ドライバーのスペック(仕様)にあります。中高年のゴルファーのなかには、クラブをハードスペックにし過ぎて、スウィングを壊したり、ゴルフを難しくしている人が意外と多いのです。
体力や技術レベルにもよりますが、ロフト角が9~10度、シャフトの硬さがSやSRといったスペックだと、ボールが上がらなくなり、キャリーが出ません。その結果、打球が早く落下して、トータルの飛距離が出なくなるわけです。また、無理にボールを高く上げようとするので、スウィングをおかしくしてしまいます。
中高年、とりわけシニアゴルファーは、できるだけやさしいスペックのクラブを使ったほうがいいでしょう。ロフト角は大きめで、シャフトは軟らかいもの。45インチ以上の長いクラブをバランスよく振ることができるのなら、そのほうがボールが飛びます。ただし、スウィング軌道がずれやすい人は、クラブを長くするほどフェースの向きが狂いやすくなるので注意が必要です。
お勧めしたいのは、ショートウッドやユーティリティといった、ドライバーとアイアンの中間に位置するクラブです。私のキャディバッグには現在、ユーティリティを含めて、ウッドが「6本」も入っています。
それらのクラブの特徴は、楽にボールが上がり、飛距離が出ることです。ロングアイアンとは比べものにならないくらい高弾道で飛んでいくため、200ヤード前後のショットでも、グリーン上でボールが止まってくれます。
しかもミスヒットしたときに、ロングアイアンほどミスが大きくならず、クラブ自体がそのミスをカバーしてくれるのです。保守的なゴルファーは「クラブがウッドばかりではカッコ悪い」と言いますが、そういった偏見や見栄を捨てれば、あなたのゴルフは劇的に変わります。
(取材・文/小山俊正)