「久しぶりにみんなで飲もう」

 そう言って居酒屋に集まった同期たちと話をして驚いた。

 事業所でも顔なじみの7人のうち、実に6人が希望退職に応じて9月末で会社を去るという。まるで、社会から必要とされていない世代と言われているようでがくぜんとした。

 同期は皆会社を愛していた。「悪いのはあいつらなのに、なぜ自分たちがこんな目に遭わなければならないのか」。

 やるせない思いが込み上げ、気付けば経営陣に対するそんな不満ばかりが口をついて出た。

 入社当時、売上高はまだ1兆円にも満たなかった。業容拡大の大号令の下、朝から晩まで汗水垂らしながら、必死になって働いた。それがいつしか3兆円企業にまでなり、会社の成長を支えてきたという自負もあった。

「このまま勤め上げれば、一流企業の社員として順風満帆な人生を終えられる」

 そんな夢ははかなくも崩れ去ってしまった。

「シャープはしょせん、二流の会社。それが一流だといつからか勘違いし、身の丈を超えた経営になった。自分が今こういう境遇になってしまったのも、ある意味必然かもしれませんね」

 そう話す田村さんは今、近所のハローワークに通いながら、再就職先を探す日々だ。しかし、技術畑一筋で、51歳という年齢から、応募書類だけで落とされることが続いているという。

 元シャープ社員の再就職に向けて、面接会などさまざまな支援を続けている奈良労働局の担当者は「昨年9月末の希望退職から5カ月近くがたった今でも、行き先が決まった人はまだ4割」と厳しい現状を語る。

退職した時期が
数年違っただけで天国と地獄

 世間からは安定企業として羨望のまなざしを向けられる銀行でも、50代は厳しい現実に直面している。

「先輩たちを見ていて、もう少し銀行に残れると思っていたのだが」