また最近の研究から、種々のストレスを認知した脳の緊急信号に腸内神経が反応し、突発的な痛みや下痢、便秘が生じることもわかってきた。もともと敏感“腹”の人はいっそう過剰に反応し、さらに不安とストレスを引き起こす。どうやら、この脳─腸の悪循環がIBSの本態らしいのだが、詳しい原因はまだ解明されていない。

まずは生活改善と
運動・食事療法

 ただ幸いなことにIBSは致命的な病気ではない。治療は症状のコントロールを目的として、まず病気の本態を理解し、生活改善と運動・食事療法が行われる。そのうえで薬物療法や、時には心理療法も試みられている。

 治療薬ではポリカルボフィルカルシウムがよく使われる。いわば人工の食物繊維で下痢型、便秘型どちらにも対応し、便を正常に整える作用がある。効果が出るまで数週間かかるのが難点だ。

 一方、男性の下痢型IBS限定のラモセトロン塩酸塩は、腸内神経の過剰な働きをブロックする薬。腸管運動の行き過ぎによる下痢と知覚過敏からくる痛みを改善する。2、3日で効果が実感できる即効性から、ライフチェンジ・ドラッグともよばれている。下痢型IBSの特効薬だが女性ではまだ有効性が証明されていないため、女性の服用は認められない。ご注意を。